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2016年1月28日 (木)

鎌田健康塾(3)

アメリカの国立衛生研究所の一つである国立心肺血液研究所が、
血圧を120未満に下げると、心臓発作や脳卒中の発生率が3分に1に減り、死亡リスク全体は4分の1に下がったと発表した。
しかし、こんな研究にだまされてはいけない。
この研究の対象者は、BMIが30近い肥満で、心臓疾患を抱えている人たちである。
こういうもともとリスクを抱えている人たちは、血圧を低くコントロールすることにこしたことはないのは当たり前のことだ。
対象者を伝えず、だれでも「120未満に下げたほうがいい」という印象を与えることは、
製薬会社の思う壺になりかねない。
日本は、血圧の薬が多く売られている。
しかも、虚偽の科学的データを使い、べらぼうに利益を上げた薬もある。
こういう論文を使って、大儲けするというのは許せない。

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人間ドック学会のビッグデータでは、血圧147の人が元気であることがわかっている。
1980年代後半まで日本は160以上を高血圧の範囲としていた。
だいたいそのへんでいいのである。
長野県で健康づくり運動をしていたとき、ぼくたちはすぐに血圧の薬に頼らないようにした。
減塩運動とともに、カリウムの入っている野菜や海藻をたくさん食べるようすすめた。
そういう注意が大事なのである。
アメリカの国立研究所の発表なんていうと、いかにもすごそうだが、
内容をきちんと吟味したい。
アメリカでは「賢い健康運動」が始まっている。
薬に頼らないようにしようという運動であるが、これも長野県で健康づくり運動をしてきた立場からみれば、
40年遅れているのである。
アメリカの平均寿命は、日本より短い。
日本のほうがよっぽど賢い健康運動を行っているのである。

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