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2016年2月 7日 (日)

鎌田實の一日一冊(270)

「ありがとう肝硬変、よろしく糖尿病」(高橋三千綱著、幻冬舎)
芥川賞作家高橋三千綱の初の描き下ろし自伝的小説。
糖尿病を皮切りに、肝硬変、食道がん、胃がんを発症するが、病気に負けない作家魂がすごい。
病気との距離の取り方が独特である。
作中に、鎌田も登場するが、高橋さんのことを評して「がんも逃げ出す楽天家」と書かれている。
ぼくに関しては、「(初めての印象は)「『がんばらない』という医者は実はがんばる人だ」と見透かされていた。

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「がんばりぬいた末に、がんばらずに生きていく道もあると発見したからものわかりのいい医者が誕生し、
不治の病に冒された人々に希望というの光を与えることができるようになったのではないか。
もう残された日数の少ない患者に向かって、明日への夢を抱かせ、励ますことが自然体でできているのである」
食道がんや胃がんに対しての距離の取り方は独特。
高橋さんは手術後のリスクを考えて、胃がんは手術せず、命が尽きるまでそのまま行こうと考えている。
ゴジラのように、がんが大きくならないように“氷詰め”にする暗示をかけているとか。
その冗談のような、高橋さんと鎌田との会話はちょっとおもしろい。
とにかく読んでみてください。

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