鎌田實の一日一冊(272)
「ぼくはアスペルガーなお医者さん」(畠山昌樹著、KADOKAWA)
人の感情が読めない、表情も読めない、心と心がつながったなんてというのは感じたことがないという。
親友もいない。
初恋もしたが、討死。
小説で恋愛の勉強をしたが、本当のところはわからないという。
でも、高機能なので課題を出されるとものすごく頑張る。
中高一貫校の全寮制に入ったことで、厳しいルールを守りながら、受験技術に磨きをかけた。
ほかの医学部よりルールが厳しいといわれる防衛医大に合格。
これが畠山先生にとってはよかったようだ。
整形外科の医師になった。
一度開業したが、そのクリニックは法人に運営をまかせ、自分はパート医を務めている。
患者さんに理解にあるやさしい医者は技術でやれるという。
共感は苦手、幸せを感じたことはあまりない。
それでもおもしろいことはいっぱいあって、人生は楽しいという。
子どもの6.3%が発達障害といわれるから、40人クラスに2人くらいいる可能性がある。
著者は、発達障害は脳の個性で、非定型発達といったほうが正確だという。
おもしろいのは、畠山式ケトン食。
ケトン食とは、糖や炭水化物を減らして、チーズやお肉を多くするもの。
てんかん患者にケトン食を出すと、てんかん発作が減るというデータもある。
その科学データを使い、アスペルガー症候群に畠山式ケトン食というのをはじめてから、
精神的な安定がつくられたという。
著者自身も、ケトン食をとるようになってから、怒りが爆発しづらくなったという。
僕自身も多動性ぎみなので、ケトン食というほどではないが炭水化物を減らしている。
ちょっと魅力的な本。
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