鎌田實の一日一冊(273)
「世界でもっとも貧しい大統領ホセ・ムヒカの言葉」(佐藤美由紀著、双葉社)
人口300万人の小さな国ウルグアイの第40代大統領ホセ・ムヒカ。
彼は、13年間、ゲリラ活動をしたことで逮捕され、獄中生活を送る。
その後、民主的な手法で国や世界を変えようと政治家になった。
ホセ・ムヒカ大統領の、2012年リオ国際会議で行ったスピーチは、最も衝撃的なスピーチといわれた。
彼は、私たちはグローバリゼーションの消費社会にコントロールされている、と言う。
消費が止まれば、経済がマヒする。
経済がマヒすれば、不況のお化けが現れる。
このハイパー消費を続けるためには、商品の寿命を縮め、多く売らなければならない。
使い捨ての社会を続けなければならなくなる。
ものが欲しくなり、そのためにローンを組む。
ローンの支払いのために、2倍働き、自分の自由な時間を手放していく。
環境の未来を語り合ったリオ会議で、格調高い演説をし、全員が立ち上がって拍手を送ったという。
「私は貧乏ではない。質素なだけです。世界でもっとも貧しい大統領と自負しています」
なかなか素敵な本。
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