鎌田健康塾(4)
1/27の「鎌田健康塾」(2)で、ニューヨークのレストランで始まった“塩分”表示について書いたが、
この記事について、アメリカ在住の方からメールをいただき、
「塩分」ではなく「ナトリウム」だとご指摘をいただいた。
ぼくのミス。訂正したいと思う。
参考にしたロイター通信の翻訳には、
「2300㎎以上の塩分を含む場合に表示が義務付けられる。
2300㎎は、多くの栄養士が一日の摂取上限として推奨している量で、ティースプーン一杯程度。
これ以上の塩分を含むメニューには黒い△のなかに、ソルトシェーカーの絵柄がかかれた表示が加えられる」
と書かれていた。
それを読んだぼくは、「塩分」と思い込んでしまった。
ご指摘をいただいてから、あらためて原文を読むと、「sodium」と書かれていた。
「ナトリウム」の意味だが、「塩化ナトリウム」を指すこともあり、あいまいな点もある。
そもそも、ナトリウム(Na)と、塩化ナトリウム(NaCL)は違うものだ。
心臓に大きな問題を起こし、むくみを起こし、血圧を上げたりするのはナトリウムのせい。
だからアメリカでは、ナトリウムに注意している。
だが、日本では食塩(塩化ナトリウム)に注目してきた。
言うまでもなく、食塩はナトリウムを含むので、間違いではないが、本当は、日本でもナトリウムを直接的に問題視したほうがすっきりする。
言い訳ではないが、ロイターニュースの翻訳ミスも、ぼくが思い混んでしまった背景にも、こうしたアメリカと日本の違いもあるのだ。
ナトリウム(㎎)×2.54=塩化ナトリウム(㎎)
つまり、ニューヨークのレストランが表示を義務付けた「ナトリウム2300㎎」以上のメニューは、
「2300×2.54」で食塩(塩化ナトリウム)5842㎎という、とても高塩分のメニューということになる。
一食で5.842g。仮に三食とると17gを超えてしまう。
せっかく表示を義務付けるなら、もっと少ない値から表示をしたほうがいいと思う。
ちなみに、WHOが発表しているナトリウム摂取の新しいガイドラインは、一日2000㎎以下。
食塩(塩化ナトリウム)に換算すると、約5グラム以下だ。
WHOのガイドラインを守るには、かなりしっかり注意しなければならない。
これを守っている都道府県は日本には一つもない。
ご指摘いただいたアメリカ在住の方は、
心不全をおこし、一日当り1000㎎以下の低ナトリウム食事療法を行って元気になったという。
重要なご指摘をいただき、感謝である。
また、アメリカでブログ「八ヶ岳山麓日記」を、丁寧に読んでくださっていることも感激だ。
これを機に、「ナトリウム」と「塩化ナトリウム」の話ができたこともよかったと思う。
日本の食品の表示を注意してみると、「NaCL○g」というものと、「Na○g」と表示されるものがある。
高血圧や心不全の人は、上の換算式に当てはめてみるといい。
高血圧でなかなかコントロールできない方、慢性の心不全で悩まれている方など、
厳密な塩分制限、一歩進んでナトリウムに注目してみてはどうだろうか。
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