鎌田劇場へようこそ!(258)
「木靴の樹」
エルマンノ・オルミ監督の作品では、「ポー川のひかり」が大好き。
優秀で若い哲学者が大学を辞め、ポー川のほとりの小さな村に住む。
村の人たちとの交流を通して、哲学者が変わっていく物語。
自分自身もいつか、この映画のような空間のなかで、人生とは何か、命とは何か、死とは何か考えながら、生きてみたいと思わせるオルミ監督の作品である。
オルミ監督の代表作「木靴の樹」は、
19世紀末の北イタリア、ベルガモが舞台。
地主の元で働く貧しい4軒の農民の生活を見事に描いていく。
本当に農民をキャスティングしたようだ。
この4軒のうちの一つに生まれたミネク少年は、優秀であった。
学校に行かせなさいと言われるが、4軒の農家で学校に行っている子はない。
父親は少年のために、地主の樹から木靴をつくる。
地主に見つかり、農園を去らざるを得なくなる。
収穫の3分の2をとられる生活も残酷であるが、農園を出た生活ももっと残酷だ。
つらい生活のなかで必死に生きる人たちの姿を、オルミ監督が美しい映像で描いている。
名作中の名作である。
3/26~岩波ホールで特別ロードショー。
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