聴診器でテロと闘う(45)
バグダッドの教育病院のがん患者さんたちがアルビルに遊びに来た。
治安の悪いバグダッドでは、子どもたちがのびのび外で遊ぶことなどできない。
アルビルは比較的治安がいいため、白血病の子どもたちがゆっくり過ごせる。
なかには、祖母と兄が白血病で亡くなったという、遺伝性の白血病と闘っている家族もいた。
子どもたちと遊ぶために、サッカー場をタダで貸してくれた。
サッカーをし、地下の教室でお絵かきをしたりした。
描いてもらった絵は、来年のチョコ募金の缶の絵になるかもしれない。
一流のレストランで食べたいものを食べてもらった。
みんなご機嫌。
京都の一澤信三郎帆布から寄付されたバッグやリュックを、子どもたちにプレゼントした。
バグダッドから来たアヤさんは、おしゃれな鞄に大喜びだ。
みんながほんのちょっとやさしくなると、子どもたちは元気がでる。
バグダッドは一時、シーア派の人が多く、スンニ派の人たちは、ISの仲間ではないかと疑われたりした。
ラマディなどからバグダッドに治療に行くと、冷たく扱わることもあったという。
その空気は、だいぶ変わった、とマゼン先生。
「部族間でも熾烈な戦いをした。
でも、どの部族も勝っていない。
シーア派とスンニ派で戦ったが、本当の勝利はどちらもとってない。
くだらない戦いをしても、勝者はいないことに気づた。
ISのみが戦いの相手と思いようになりだした。
進歩しないイラクでも進歩している」と語った。
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