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2016年3月30日 (水)

聴診器でテロと闘う(56)

テントの生活は過酷だ。
夏は暑く、冬は寒い。
電化製品を使うとすぐにショートして、出火する。
焼死者も多い。
3度の熱傷で手が拘縮している親子の診察をしてほしいと頼まれた。
子どもは、左手が指が曲がらなくなっている。
手首も拘縮している。
父親は両肘が拘縮している。
ケロイドを取って自分の皮膚を移植するしかないだろう。
ドホークに形成外科の病院があることがわかり、5月に手術するとことを決めた。

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この親子が治療しながら、生活の自立ができるよう、オートバイを貸すことにした。
オートバイを活用して、商売をしたいという。
もともとシリアでは大工だった。
カミシリから一時間半ほど離れたところにあるまちは、ISに町を包囲され、ヌスラ戦線など反政府の過激派が暗躍する暗躍する地域になってしまった。
八百屋をやってみたが、なかなかうまくいかなかった。
知り合いから、「今お金がないから、後で払う」と言われると、ダメとは言えない。
結局、元手が取れず、知人に野菜をただで配るような感じになってしまったという。
父親はいま、靴屋をやろうと考えている。
子どもの治療ためにも、しっかり生活を自立させなければ、と希望を語る。
が、ちょっと心配。
このオヤジさん、本当に商売がうまくできるだろうか。

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