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2016年3月19日 (土)

もっと「見える化」を

つい最近、消費者庁が発表したデータによれば、福島県産の食品の購入を控えるという人が15.7%を占めた。
実際のところ、福島県産の野菜などはほとんどが放射線は検出限界以下である。
なのに、小さなお子さんをもつ母親に聞くと、福島県産のものは食べないという人がおり、
その理由を聞くと、基準値以下であっても、微量な放射線があるのではないかと不安をもっているのだ。
福島県では、米の全袋検査などを実施し、放射線の「見える化」によく取り組んでいる。
しかし、まだ十分ではない。
市場に出回る農産物などは、1キロ当たり100ベクレルという基準値以下であることは間違いないと思うが、
消費者としては、基準値以下の細かい数値を知りたいのである。
例えば、その野菜が75ベクレルなのか、10ベクレルなのかわかれば、
買う時の判断材料になる。
なかには、75ベクレルでもいいという人もいるかもしれないし、
子どもに食べさせるので、10ベクレルのも避けたいと思う人がいるかもしれない。
そうやって自己決定できることが大事だ。
年に何回かでいいと思うが、基準値以下の細かい検査結果をすべて公表する日をもうけたほうがいいと思う。
風評被害は、そうした「見える化」によって減らすことができるのではないか。

1603151fullsizerender 雪に覆われた諏訪中央病院の屋上庭園

放射線の測定所は、小松真理子さんの報告では、2016年3月現在で274か所ある。
これは、行政、各組織が運営する測定所で、市民が食品などを持ち込むことができる。
多くの測定所は、食べ物をすりつぶして測定する機械を入れているが、
大きな組織の測定所では、まるごとのままで測定できる機械が入っていることが多い。
測定するものも、野菜だけでなく、水や土壌の測定などもある。
帰還許可が出て、自分の農地の土壌を詳しく調べたいという人や、県外に避難したが、自分の家の安全性を調べたいという人などが持ち込むことができる。
市民測定所は「中立」であるという安心感から、利用されている面もあると思う。
こうした放射能測定所が存続するために、JIM-NETでは食を考えるダイアローグの会などを催し、
測定所にかかわる人たちが語り合いながら、命と自然を守っていく活動に取り組んできた。
今後も、まだまだ市民測定所の存在価値は高い。

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