鎌田劇場へようこそ!(263)
「土徳流離~奥州相馬復興への悲願」
青原さとし監督。
震災以来、通い続けている南相馬市の小高区や原町、相馬市などが舞台である。
江戸時代、天明の飢饉が襲い、奥州相馬は大打撃を受けた。
このとき、たくさんの人が流民になった。
極端な人口減少のため、相馬藩は地域復興を願って、移民を奨励。
親鸞の浄土真宗が広がっていた北陸の加賀など全国から、多くの門徒が寺ごと移入し、開拓に入ってきた。
見事に復興していくが、もともといる人たちの宗派や門徒たちとの軋轢も起こる。
そうしたなかで、再び起こった天保の飢饉。
藩は、二宮尊徳の思想に基づき、ため池や水路をつくり、農村のマネジメントを実践していく。
「報徳仕法」という言葉で村おこしを行っていくのである。
原発事故で大きな被害を受けた土地に、こうした真宗移民の歴史があったのだ。
ぼくは、この地域に通いながら、「ご飯を食べていきない」「泊まっていきなさい」とよく言われることが不思議だった。
この映画を見て、よそから来る人を受け入れる歴史のようなものがあったことがよくわかった。
人のために、という思いが強いこともわかった。
この地域が再び、復興することを予感させてくれる、元気が出る映画である。
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