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2016年4月10日 (日)

鎌田實の一日一冊(276)

「ブドウ糖を絶てばがん細胞は死滅する―今あるがんが消えていく『中鎖脂肪ケトン食』」(福田一典著、彩図社)
著者は元国立がんセンターのがん予防研究部第一次予防研究室長である。
ケトン食でがんが消えるという。
このドクターとは、朝日新聞出版社から出した「がんに負けないあきらめないコツ」のなで、
がんの漢方医として紹介した。
がん細胞は、エネルギーに必ずブドウ糖を使って増えていく。
だから、エネルギーであるブドウ糖を絶って、がん細胞を兵糧攻めにするというのが福田医師が行っている治療だ。
ある脳腫瘍では、ケトン食をはじめて数年生きている人もいるという。
ケトン食で、がんの予防ができるかというとそれはデータがない。

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いまぼくたちは糖質をたくさん摂って生きているが、正常な細胞はそれほど糖は必要ではなかった。
人類の長い歴史からみると、糖を豊富に食べられるようになったのはたかだか1万年前。
それまでは狩猟採集が中心で、脂肪やたんぱく質をとるのが主だった。
だから、糖質を減らし脂肪を増やしたケトン食にしても、脳細胞の働きは低下しない。
ケトン食がてんかん発作の抑制効果があることは知られている。
アスペルガー症候群の整形外科の医畠山医師とも会ったが、彼もケトン食を実践することによって、怒りの爆発が少なくなったという。
福田医師は、中鎖脂肪酸が大事な武器だという。
これを野菜サラダにかけたり、ジュースに入れて飲んだりする。
自身も、ほどんど糖質はとらないそうだ。
そのお陰か、英文の論文を読むスピードが上がったという。
糖尿病にも認知症にも注目されているケトン食。
けっこう大事かもしれない。

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