聴診器でテロと闘う(60)
難民キャンプをまわると、多くの人たちがヨーロッパへ渡りたいと願っていることがわかった。
トルコからギリシャへ、ボートに乗って密航していくのだ。
ブローカーがいて、一人30万円くらいで請け負う。
船は沈没することもあり、たくさんの人が犠牲になった。
命がけである。
EUはNATO軍の軍艦を派遣し、密航船を見つければ、トルコに引き戻すと言い出している。
ギリシャに着いたとしても、その後の道は厳しい。
ギリシャからバルカン半島を北上するが、多くの国が国境を閉ざしている。
ドイツとオーストリアだけが難民申請を審査するというが、「審査」というだけで、「受け入れ」までにはまた時間がかかる。
シリアやアフガニスタンなどの紛争地以外の人は、経済難民として今まで以上に国境通過が難しくなっていると聞く。
ハンガリーやポーランドでは、通過することも拒否している。
ドイツやオーストリアなど難民を受け入れた国では、難民を排斥するような右翼政党が躍進する。
自由と民主主義を守り、弱い難民を助けたいと思うと、自分の国を締めることになるという悪循環が起こっている。
難民問題を世界的問題としてとらえ、解決していかなければ、EUがたちかなくなるだけでなく、世界の経済も平和も壁にぶち当たる。
いまシリアやイラクにいる人たちが難民にならないように、早く平和を取り戻すことが大事なのである。
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