JIM-NET はアンマン事務局を中心にして、2015 年より、主にシリア内戦で手や足を失った難民を対象に、義肢の提供を行っています。
2015 年度は21 名に対し計22 の義足/義手を提供しました。
現在も紛争が激化を続けるシリアではすでに100 万人以上の人々が負傷したと言われています。
多くの負傷者が、緊急治療のために国境を越えてヨルダンに入り、手足を切断せざるを得ない状況におかれる難民も少なくありません。
義肢、特に義足は、足を失った人々がより自立しまた自由に生活することを可能にします。JIM-NET は彼らが再び将来に向けて希望を取り戻していくための支援を行っていきます。
以下は、アンマン事務局からのレポートです。
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ハラフさん(24 歳)*義足(右足膝下)新規作成
ハラフさんはシリア南部、ラハムの出身です。
ヨルダンには5 ヵ月前、義足をつくるために来ました。
もともとベドウィンとして生計を立てていました。
彼の住む地域の周辺に地雷が埋まっていると言うことは知っていましたが、
彼が実際に地雷の被害に遭った場所は安全だと思っていたそうです。
地雷を踏んだことによる爆発で、彼は左足を失い、また左手の指も負傷しました。
左手には障害が残り、動かすのが難しい状態です。
ラハムは多くの人が住む地域です。
一度、政府軍に制圧された時にラハムから逃れた多くの住民は、半年後に自由シリア軍が奪還した時に戻ってきたそうです。
彼は100 頭もの羊を飼っているとのこと。
その羊たちの世話を続けるために、義足を得た後シリアに戻る予定です。
モハンマドさん(25 歳) *義手(左腕肘下)作り直し
ダラア出身のモハンマドさんは、現在ザアタリ難民キャンプに住んでいます。
2014年1 月、戦闘に巻き込まれて負傷しました。
戦車の砲弾が彼の近くに落ちた時、近くにいた2 人は亡くなりました。
彼自身はラムサ(ヨルダン側のシリア国境に近い町)の病院に搬送され、そこで負傷した腕を切断しました。
その後彼の両親、兄弟がすでに住んでいたザアタリ難民キャンプに来ました。
当初、他のNGO から義手を提供されたものの、それが合わなかったとのことで、今回新しく作り直すことにしました。
新しい義手は可動式のもので、手でものを掴むこともできるタイプです。
紛争が始まる前、彼は車の修理や洗車をするワークショップで働いていたそうです。
そのワークショップは今は閉じられたままです。
彼が住んでいた家は、戦闘の最前線の位置に会ったため、壊されてしまいました。
彼がシリアを離れた当時から、その地域には電気も水も通っていなかったとのことです。
ザアタリ難民キャンプにいる彼とその家族は、安全な状況が戻り次第シリアに戻りたいと言います。
モハンマドさんは、新しい義手を使って生活するのを楽しみにしています。
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JIM-NETの義肢の支援活動にぜひ、ご協力ください。