チェルノブイリ30年から何を学ぶか9
ゴメリ州疫学研究所放射能測定センターを訪ねた。
核種の測定を実によくやっていた。
ゴメリ州全体の中核センターなので、ストロンチウムやほかの微量の放射性元素に関しても丁寧に調べている。
ストロンチウムは、福島第一原発事故ではチェルノブイリの6%しか放出されなかったということで、
測定結果がほとんど公表されてこなかった。
ブラーギン、ジトミールなど何か所かでストロンチウムの高い地域があり、
その地域の牛乳は今も危険ということで、定期的に測定されている。
経済的に行き詰まっているベラルーシだが、放射線の問題に関しては実によくやっているように感じる。
各地域にも測定所があり、すべて無料で測定されている。
食べ物によるストロンチウムは、牛乳と水が要注意だという。
セシウムは、キノコとベリー、鹿の肉など森で採れたものから検出される。
30年経っても、キノコはやはり要注意。
キツネダケのようなほとんど放射能が測定されない例外もあるそうだが、
それ以外のキノコは、測定してからでないと食べてはいけない。
埋葬の村に行くと、おばあちゃんから、果物を食べろ、とよくすすめられる。
プルーンや梨、リンゴは大丈夫なのか訊ねると、
「ほとんど大丈夫だ」という。
土の中にできるジャガイモも今はとんど汚染されていない。
もちろん、場所によって違うので、各地の測定所できちんと測定し、放射能の見える化を徹底している。
日本では、もう大丈夫だと思い込んで、少し風化しかかっているが、
測定されていない自家の野菜などは、きちんと測定してから食べる必要がある、とアドバイスされた。
こういうことが、この国では原則的によく行われている。
野菜や果物の放射能は10年後くらいにガクッと減ったという。
カリウムが土に含まれていると、野菜が生長するときにカリウムを吸収する。
そうすると、放射性セシウムの吸収を低く抑えることができる。
そんな性質を利用し、土壌改良もしている。
そんな性質を利用し、土壌改良もしている。
ただし、除染ができない森で採れたキノコやペリーは30年経っても要注意のままだ。
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