チェルノブイリ30年から何を学ぶか14
チェルノブイリと福島第一では、原発事故の国際評価は同じレベル7であるが、放射性物質の放出量は大きな差がある。
チェルノブイリは5200ベタベクレル、福島第一は900ベタベクレル。
1平方メートル当たりの放射性ヨウ素(i-131)の沈着量をみると、福島では300万ベクレルを超える地域が、飯館村の方向に広がっている。
その周りに100~300万ベクレルの地帯が広がり、川俣町などは30~100万ベクレル、飯館は100~300万ベクレルのところと30~100万ベクレルのところが広がっている。
そのほか福島の多く地域は6~30万ベクレルの放射性ヨウ素131の沈着がみられる。
このときに、外に出ないことが大事だった。
半減期が8日間なので、2週間ほど外に出ていなければ、甲状腺を守ることができた。
福島の子ども116人に、甲状腺がんが見つかっている。
これら甲状腺がんと、i-131の関係があるのかないのか、結論をつけるためには、事故直後、各地で甲状腺の被ばく量を測定し、サンプリングすることが重要であった。
今回の原発事故は、何事にも責任をとらず、あいまいにしてきた日本の問題点を集約している。
このまま、問題が流れてしまうのを待っているようだ。
たしかに現段階では、原発事故と子どもの甲状腺がんは関係があるとはいえない。
だが、関係がないとも言い切れない。
今回、チェルノブイリの埋葬の村を見たり、放射線汚染に対する30年間の取り組みをみてきて思うことは、
原発のない時代を早く迎えるべきだということだ。
核燃料廃棄物を処理することができない現状で、世界中に原発をつくることは、人類にとっても、地球にとってもいいこととはいえない。
原発事故を起こした日本だからこそ先頭を切り、新しいエネルギー革命を起こしていくべきではないか。
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