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2016年5月 3日 (火)

地域包括ケアシステムとは何か3

鎌田を囲み、月に1回、地域医療の勉強会が開かれることになった。
第一回のテーマは「祭り」。
御柱祭の建て御柱のとき、内科の部長はてっぺんまで上り、看護師がめどでこに乗る。
地域としっかりしたつながりがないと御柱にはなかな乗せてもらえない。
ぼくが前回の御柱までずっと乗せてもらえたのは、「諏訪中央病院が地域のためによくやっているので」と、病院が地域から評価されてきたからだろう。
若い頃、御柱の先頭に乗せてもらったり、めどでこの先端に乗せてもらったりした。
簡単には乗れないが、どれだけ地域につながりをもち、貢献しているかが重要なのだ。
祭りは非日常。
日常では、人間と人間の関係が難しく、人生がうまくいかなったりしても、
祭りという非日常は、空気を変えたり、気分を変えたりする力がある。
祭りは祈りのような場であり、人生の再スタートの機会にもなり得るのだ。
ぼくは、医療も優れた技術と奉仕の思い、祈りの思いをもって、地域医療をやってきた。
勉強会では、地域医療と祭りはつながっている、という議論で盛り上がった。

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いま諏訪中央病院の医師や看護師が、熊本の緊急要請を受けた病院に入っている。
諏訪中央病院のスタイルは、相手のいちばんつらそうな部分をサポートする。
東北の大震災の時も交代で支援に行くが、前任者と新任者が重なる日をもうけ、自分たちで申し送りし、現地のスタッフに負担をかけさないようしてきた。
そして、その場、その時に必要なものは何か考えてきた。
災害も非日常である。
医療や病院も、健康な人にとっては非日常だ。
非日常をどう乗り越えていったらいいか。
どうしたら安心できる日常に戻すことができるか。
みんなで考えていこうということになった。
とても有意義なディスカッションだった。
次回の勉強会のテーマは「医療と天災」、とても楽しみである。

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