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2016年6月23日 (木)

地域包括ケアシステムとは何か25

地域包括ケアは、新しい命を支えるシステムでもある。
福岡県のTさんの家族は実子が1人、里子が2人、養子が1人。
カオルちゃんという1歳の養子の女の子がいる。
長女はいまアメリカの大学に留学している。
みんな事情がある子たちだ。
長男のヒカル君は、生まれて3日後に母親がいなくなってしまった。
祖母に育てられたが、祖母が突然、亡くなり、児童相談所に預けられた。
ヒカル君は、介護福祉士になりたいと言っている。
実子のエミさんは11歳。
「将来は医師か看護師になりたい」
地域包括ケアの担い手を目指している。
あたたかい家庭に育つと、命に寄り添いたくなるのだろうか。

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1歳のカオルちゃんの両親は重い精神病だ。
母親は産後、重いマタニティブルーで、父親は入院中。
「育てられないことに気が付き、養子縁組に出します」と泣く泣く決断した。
Tさん夫婦は、「私たちがしっかり育てますので、まずはお母さんは自分の回復を考えてください」と引き受けた。
病気のご夫婦が調子のいいときは、子どもと一緒に過ごす時間を設けている。
「二人のどちらかが回復し、子どもを育てたいと思ったときには、そうすればいい。
そのときは祖父母のような気持で一緒に育てていきたい。
同じ市内にいますし、昔の家族みたいにできると思います」
すごいなあ、と思った。
以前、ダウン症の子どもの養親になったが、実の父親がやはり自分で育てたいと思い直したことがあった。
このときも、気持ちよく承諾したのだという。
地域包括ケアが広がると、「地域のなかの子どもを育てる」という感覚も広がる。
子育てしやすい環境ができる。
子どもが生き生きとすごせるようになる。
地域包括ケアは、そういう可能性をもったシステムだと思う。
かつて日本にあったつながりを、新しい地域包括ケアという形でもう一度つくりなおし、情が通い、血が通う地域をつくっていきたい。

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