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2016年6月12日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(270)

「改訂の巻 秘密の花園」
鬼子母神に立つ紅テントを見に行った。
このところちょっと元気がないかなと思っていたが、やっぱり面白い。
日暮里を舞台にした、愛と騒動の物語。
1982年初演の改訂版だ。
唐十郎とカフェでお茶を飲んでいると、日が当たった。
「カマさん、西日だね」
まるで、芝居のセリフみたいに、しみじみという。
唐十郎の世界には、西日が大事なモチーフとして登場することが多い。
水たまり、沼、ブリキ、坂、大陸・・・も、そうだと思う。
水たまりや坂のその先に何があるのか、唐十郎が想像力をめぐらす。

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今回の「秘密の花園」は久保井研、藤井由紀も生き生きして、存在感を際立たせていた。
唐十郎の優れた脚本があるからだが、ベテランと若い役者たちの汗が、不思議な破たんと調和をもたらしている。
唐十郎の「水中花」を、鳥山昌克が一人芝居で演じている。
名演である。
8月6日からは、宮沢りえ主演で、蜷川幸雄が演出・監督をする予定だった。
蜷川さんを追悼して、唐十郎の「ビニールの城」がシアターコクーンで上演される。
唐十郎の世界は、人間という秘密に迫っているから、いままたブームのように取り上げれるのだろう。
唐十郎に注目。

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