地域包括ケアシステムとは何か33
日本は災害の多い国。
災害発生直後の救命救急として、DMATが組織され、東日本大震災でも活躍してきた。
その一方で、寝たきりの高齢者や障がい者いわゆる「災害弱者」への対応も重要なことである。
避難所になる体育館のようなところで、トイレの問題ひとつにしても、障がいを持つ人が過ごすのはつらい。
周りの人も、厳しい状況のなかでストレスをためこみやすい。
福祉避難所を設けるのは、とても重要なことだ。
4月に最大震度7という大地震が発生し、その後も余震が続いている熊本地震。
「南阿蘇ケアサービス」は、グループホームやサービス付き高齢者住宅の入居者57人が生活。
デイサービス利用者50人、訪問介護サービス利用者40人、職員73人がかかわっていた。
災害が起きたとき、入居者やサービス利用者の安否確認が急がれるが、
ふだんからのネットワークがものをいう。
この「南阿蘇ケアサービス」では、通常の避難所では生活できない障害をもつ高齢者18人を、福祉避難所として引き受けることになった。
ここに、陸前高田の松原園の関係者が3人でチームを組み、応援を出している。
南阿蘇ケアサービスのスタッフも被災しているので、応援が必要なのだ。
陸前高田は、建物の復興はまだだが、いちはやく地域包括ケアシステムづくりに取り組んできた。
たくさんの専門家たちがネットワークを組み、人間と人間の関係の復興を進めている。
医師や看護師、介護士らが、演劇で健康について啓蒙するおもしろい活動もしている。
そんなネットワークがあり、被災経験がある陸前高田だからこそ、自分たちも苦しいが、熊本のピンチに力を貸したのだろう。
地域包括ケアは、災害時のSOSにも強い。
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