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2016年8月28日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(287)

「ビニールの城」
昨年12月に亡くなった蜷川幸雄が演出する予定だった。
新宿梁山泊の金守珍(キムスジン)が引き継いだ。
この「ビニールの城」は、唐十郎の伝説の作品の一つといわれている。
劇団第七病棟に書き下ろし、石橋蓮司、緑魔子らによって初演された。
蜷川さんだったら、どんなふうに演出しただろうか、と考えながらみた。
キャストは蜷川さんが決めた。
主演は、このごろお気に入りだった宮沢りえ。
もう一人の主演は、森田剛(V6)。
宮沢りえがビニ本のヌードモデルを演じている。
ビニールから出られない女性を、若い男が探しまわる。
唐十郎はビニールやブリキ、水たまりが好き。
そこからイマジネーションを広げ、新しい物語を展開していく。
この作品も、水たまりをつかって、この世から離れていく。
その世界をを宮沢りえが存在感たっぷりに演じる。
役者としても一皮むけてきているのではないかと感じさせるほどのっている。
3年前、唐十郎作品の「下谷万年町物語」を蜷川幸雄が演出した。
唐十郎も役者として舞台に立った。
そのときの宮沢りえもすばらしかったが、今回もすばらしい。
唐十郎のわけのわからない長いセリフを、情感たっぷりに演じきった。
宮沢りえが大女優の道を歩きはじめる作品になったと思う。
森田剛が出演しているためか、10代の客も多かった。
若い人には、決してわかりやすいとはいえない唐十郎の世界がどう映るのか。
そのまま受け止めて、自分のなかでふくらませてくれたら、こんなにうれしいことはない。

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