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2016年8月15日 (月)

イラク戦争の検証をしない国

先月、イラク戦争に関する英国の独立調査委員会が、膨大な報告書を発表した。
ブレア首相(当時)は、米国の「大量破壊兵器がある」とする情報に同調しイラク戦争に参戦したが、結局、大量破壊兵器はみつからなかった。
まず、国連決議がなく武力行使をした点で、国際法違反ではないか、と指摘する。
世界がみとめている武力行使は、自国が侵略されそうなときの自衛権と、安保理の承認による場合の2つだけのはずである。
軍事行動を起こした後、軍事と民政で、イラクを安定化させる作戦をまったくもっていないかった点も挙げている。
イギリスはアフガニスタン戦争にも派兵しており、2つの戦争を遂行するだけの資金や人的資源がなかったと検証している。
イラク参戦に前のめりだったことを、イギリスは自己批判しているのである。

01_ イラクの難民キャンプ

イラク戦争に関して、アメリカでも議会で検証が行われ、CIAの機構改革を行った。
一方、日本はどうか。
イラク戦争が開始された翌日、小泉首相はブッシュ大統領にイラク戦争の支持を伝えた。
そして、イラクのサマワに自衛隊を送り、航空自衛隊も派遣した。
米英に無批判に支持したことに関し、日本も検証すべきなのではないか。
安全保障の問題はナーバスで、一刻も争うこともある。
ときには政権が判断せざるを得ないこともあるだろう。
民主主義にとって安全保障は落とし穴になりやすい。
しかし、だからこそ、戦争をふりかえって検証する必要がある。
結局、イラク戦争を契機に、イラクは治安が悪化し、テロが拡大した。
過激派組織「イスラム国」を生みだしてしまった。

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