鎌田劇場へようこそ!(293)
「92歳のパリジェンヌ」
92歳で亡くなった母の人生を、娘が「最後の教え」という小説にした。
フランスの元首相の母親の実話である。
92歳の誕生日の2か月後、「私は死にます」と宣言する。
足腰が弱り、車が運転できなくなり、失禁したりすることが多くなった。
彼女は美しいパリジェンヌのまま逝きたいと願う。
が、当然、家族の意見は分かれる。
フランスでは、安楽死は認められてない。
認められているのは、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクなどのいくつかの国。
がんの末期でもなく、難病でもないこの主人公は、安楽死に該当しない。
言葉にするのは難しいが、「自殺」ということになる。
倫理的に許されない。
しかし、自由に美しい人生を謳歌したいいという強い思いはよくわかる。
夫がいたが、何人もの人と恋をした。
外国に、助産師としてボランティアにも行った。
亡くなる前、かつて愛した男性のところにも訪ねていく。
自由とは何か。
死ぬ権利とは。
自分で決めていいのか。
自由と美しく死ぬ権利について、いずれ本を書きたいと思っている。
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