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2016年9月22日 (木)

鎌田實の一日一冊(300)

「いのち買うてくれ」(好村兼一著、徳間書店)
著者はも剣道の最高段位の八段。
フランスに在住して47年、師範として剣道を広める優れた剣士である。
と同時に、人気作家としていくつものいい作品を書いている。
徳島県のある藩の武士が、重臣に騙され、犯罪に巻き込まれる。
家族を連れて、江戸へ逃げるも、生活は辛酸をなめる。
生きる方法がなくなり、最後に決断したのは「いのち買うてくれ」。
自らの命を投げ出し、生きる道を探るのだが、そこからとんどもない展開がはじまる。
誇りも家族も大事だが、サムライの魂をどう守るか。
命を捨てたときから、次々に奇跡が起こる。

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今ぼくは「遊行を生きる」という意識が、人生を変えるのではないかと考えている。
学び自分を育てる「学生期」、生活のなかで夢を実現する「家住期」、森に隠遁し人生を考える「林住期」を経た後、最後に「遊行期」というのがあるといわれている。
だが、すべての世代で「遊行」の志をもつと、人生がひらけてくるのではないか。
まさにこの「いのち買うてくれ」は、遊行を生きた男の物語のような気がする。

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