地域包括ケアシステムとは何か51
若い医師たちに地域包括ケアの魅力を伝えることも、大事な仕事。
信州大学や京都大学の医学生5人が、ぼくの緩和ケア病棟の回診についてきた。
50代のバイク乗りの男性が、この日、息を引き取った。
彼は車が好きで、病院の玄関に座って、車を見ていることが多かった。
お母さんを残していくことを気にかけていた。
亡くなったあと、お母さんとお会いした。
息子のためにスーツを新調したが、本人はあの世へはバイクに乗るときに着ていた革ジャンを着せてくれ、と言ったそうだ。
ジーンズに革ジャン姿はとてもかっこよかった。
体力がなくなり、500㏄のバイクに乗れなくなったことを悔しがっていた。
きっと、彼はバイクに乗ってあの世へ行ったに違いない。
お母さんが泣きながら、「この病院があってよかった、この病院があったから私も息子もつぶれないですんだ」と言った。
その人らしい生と死を見ること、それも地域包括ケアの仕事のひとつだ。
2025年、団塊の世代が後期高齢者になり、多死時代がやってくる。
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