地域包括ケアシステムとは何か54
地域包括ケアのなかで大切な戦力は、リハビリテーションの専門スタッフだ。
いま全国では、理学療法士(PT)が約14万人、作業療法士(OT)が約7万人、言語療法や嚥下訓練をする言語聴覚士(ST)が約2万7000人いる。
長野県では、順に、2000人、1200人、290人。
諏訪中央病院では37人、19人、7人が働いている。
大変な大所帯である。
30年前、地域包括ケアをはじめたときから、リハビリがとても大事だと思った。
一人PTを採用したところから、徐々に増やしてきた。
諏訪中央病院に隣接する老人保健施設やすらぎの丘の在宅復帰率が80%と高いのは、PT、OT併せて5人いること。
在宅に帰れるように、徹底して機能回復訓練をしているからなのである。
諏訪中央病院では、年間100を超す大腿骨頸部骨折があるが、早ければ3時間後、遅くても48時間以内に手術し、翌日からリハビリを開始する。
こうすることで、元気で歩いていた人を、自分で歩いて帰すことができるのである。
緩和ケア病棟でも、PTやOTのおかげで患者さんたちに希望がわき、明るい病棟になっている。
訪問リハビリも充実している。
少し前、リハビリの専門スタッフから、諏訪地区の懇話会で話してほしいといわれ、
「命をささえるリハビリテーション」と題して講演した。
リハビリは生きる技術の習得、人生に負けない強い心と、地域のなかで孤立しないでいきていく方法をおしえてくれる、そんな話をした。
地域包括ケアは希望のシステムだ。
それを支えているのは大事なもののひとつが、リハビリである。
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