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2016年11月

2016年11月30日 (水)

服は着る薬

鶴丸礼子さんは大分在住のデザイナー。
「鶴丸式製図法」という独自の採寸をして、障がいのある人が着やすく、かっこよい服をつくる。
ぼくも、以前、介護の日のファッションショーで、彼女のデザインした服を着させてもらった。
よくできている服は、着やすくて疲れない。
そして、いい服は、町に出ていく勇気をくれる。

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彼女は今年、吉川英治賞を受賞。
鶴丸式の本が来年、出版されることになった。
彼女の本の帯を書くことになった。
たくさんの人に注目してもらいたいと思う。

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2016年11月29日 (火)

「がまんしなくていい」文庫発売

「がまんしなくていい」(集英社文庫)が発売になった。
よく笑う人には奇跡が起こる。
幸せホルモンや愛情ホルモンといわれているセロトニンやオキシトシンの話を通して、
どうしたら元気に生きられるかを書いたエッセイ集。

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さだまさしさんが、「心の元気こそがいちばんの治療薬なんだ」と解説を書いてくれた。
じ~んとする話、満載。
ぜひ、読んでください。

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2016年11月28日 (月)

大盛況

先日のチョコ募金キックオフコンサート「光を世界へ」は大盛況だった。
会場も超満員。
なんといっても、ピアニストで作曲家のウォン・ウィンツァンさんのすばらしい演奏!
さらに、ボランティアで出演してくれたゴスペルの2つのグループが、会場を盛り上げてくれた。
作詞家で音楽評論家の湯川れい子さんのお話も楽しかった。

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チョコ募金はいいスタートを切った。
正式なスタートは12/1からだが、11月中旬で2万個を超えている。
まだまだこれから。
応援をよろしくお願いします。

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2016年11月27日 (日)

医学の講義

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東京医科歯科大学で毎年、講義をしている。
医学部に入って半年、まだ教養学部で英語や哲学、生物学などを学んでいるが、
週一回、お茶の水の医学部に来て、医学の初歩的なレクチャーを受ける。
その時期の学生たちに医療のいちばん大事なキモを教える授業である。

すぐれた技術と奉仕の心、祈りの思い。
そんな話を実践を交えて話した。

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来年度も、この講義をすることが決まった。

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2016年11月26日 (土)

鎌田實の一日一冊(305)

「日本を壊す政商」(森功著、文藝春秋)
人材派遣サービスの雄パソナ。
パソナの社長は「若者・女性活躍推進フォーラム」という政策会議で、
労働規制の見直しを説いた。
正規・非正規を行き来しやすい柔軟な働き方」を言いながら、結局は非正規を多くし、
パソナは大きく拡大していくこととなった。
国の就職支援事業やハローワークなども民間へアウトソーシングすべきと述べ、
実際にそのとおりになっていく。
防衛庁の26万人の福利厚生をパソナが一括受託した。

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さらに人脈は政界、官界、芸能界に広がり、
そのなかでうみまを吸う人間がいる。
この本を読むと、おそろしいことが画策されていることがわかる。

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2016年11月25日 (金)

本別町で

今月初旬、北海道の本別町で、医療、看護、介護の関係者と勉強会があった。
ワークショップでは、院長先生らみんなでフラフープを高く上げたりして、チームワークで協力し合うことを体感した。

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また、先月、東京で開催した「地域包括ケア甲子園」で優秀賞を取った医学生たちがプレゼンテーションをした。

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どうやって町を改革していくか、みんなの言葉を集めながら、考えをまとめた。

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その後は、住民が応援に来てくれ、みんなでチャンチャン焼きと焼き肉で親睦会。
前日に、十勝地区の町村長会で講演した内閣府の統括官も参加した。

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2016年11月24日 (木)

六花亭へお礼に

北海道帯広にある六花亭に、チョコ募金のお礼にうかがった。
医学生たちや地域包括ケア研究所のメンバーを連れていたのだが、
六花亭のすてきなサロンに招待していただき、
帯広で有名なぱんちょうの豚丼と、インデアンのカレーを振舞ってくれた。
どちらも抜群においしかった。

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六花亭は毎年、材料費だけでチョコ募金のチョコをつくってくれている。
もともと社会貢献に熱心で、社員を大切にしている。
そんな会社だからこそお願いしたのだが、
やっぱり六花亭にチョコをお願いしてよかったと思う。
みんながあたたかい。
                 ◇
チョコ募金は、イラクやシリアの難民、福島、チェルノブイリの子どもたちの支援のために使われます。

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ぜひ、チョコ募金にご協力ください。
申し込みはこちら↓

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2016年11月23日 (水)

緊急支援のお願い

モスルへの攻撃が激化している。
政府軍やペシュメルガがモスルに入りだしたようだ。
激戦の間を縫って、モスル市民が脱出をしはじめている。
ハムダーニア・チェックポイントに緊急の難民キャンプがつくられた。
保健局からの要請にこたえ、JCFでは緊急に水や食料、ビスケット、ケーキ、ナツメヤシ、粉ミルク、小児用のおむつなどの支援物資を届けた。

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中央政府の保健省のライス先生やアウス先生はJCFの支援を信頼してくれているようだ。
JCFとしては、保健局を通して支援することを決定した。
これから1週間は、たくさんの避難民が増えてくる。
そのなかには、小さな子どももいるはず。
一人でも多くの命を支援していきたいと思う。
JCFにぜひ、応援をお願いいたします。

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2016年11月22日 (火)

地域包括ケアシステムとは何か70

今年も、11月11日の介護の日、「がんばらない介護生活を考える会」の介護セミナーが開かれた。
今回は、介護ロボットを見せてもらった。
本番では、鎌田がロボットでベッドから起き上がり、車いすに移乗する。
そのまま散歩をすることもできる。
介護者の「よっこらしょ」という動作がないので、されているほうも気が楽であった。
怖いこともなかった。
こういう介護ロボットを、施設でも家のでも上手に使えるようになるといい。
月3000円くらいのリースなら、ずいぶん介護者は楽になると思う。
あわせて、家のなかのバリアフリーも大事になってくる。
積水などは介護ロボットの共同研究を行っているようだ。
ぼくは「老いに負けない勇気~魅力的な地域包括ケアをつくろう」というタイトルで講演をした。
大切なのは自己決定。
地域の多様なメニューを、利用する側が選択し、自己決定して、自分らしく最後まで生きることが大事だ。

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メインイベントは、以前からおつきあいのある愛知県長久手市の吉田一平市長とのトークセッション。
彼は長久手市を「わずらわしい町」にしようという。
自分だけで生きていくのは快適で、効率的に生きられるが、人と人と接するのはわずらわしい。
だが、そのわずらわしされが大事なのだ。
長久手市は、住みやすい町全国2位、快適な町1位。
市長は、「あいさつをしよう」というジャケットを着て、わずわしいが、あいさつをすすめている。
おせっかいが大事だともいう。
自分たちの町を学者やコンサルタントに任せずに、自分たちで町づくりや生きがいづくりをでやろうと呼びかけている。
手間暇かかるマメさ、「速く」とか、「効率的」とか、「画一的」「1箇所にまとめる」というのをやめようとしている。
時間に追われるのはやめて、「ぼちぼち」とか、「ほどほど」を大切にしているという。
うまくいかないことあればあるほど人に役割が生まれる。
遠回りすればするほど、いろんな人が楽しめる。
彼の楽しい哲学は、地域包括ケアづくりに大いに参考になる。

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2016年11月21日 (月)

小児がんの子どもと家族のサポートハウス

JIM-NETでは、イラクの小児がん患者と家族のためのサポートハウスをつくる計画だ。
ぼくたちの現地事務所は、比較的治安がいいアルビルにある。
遠くからアルビルに治療に来た子どもや家族たちは、
お金がないために、病院の待合室や車の中で寝泊まりしていた。
2015年ごろから、そうした子どもと家族をサポートするため、アルビルの事務所の地下に泊まってもらっていた。
この取り組みは、家族からとてもよろこばれた。
そこで、現在、外務省と折衝しながら、小児がん患者と家族の負担を減らすためのサポートハウスをつくる検討を始めた。
新して建物を借り上げて、子どもや家族が通院しやすいような宿泊施設にする予定だ。
そのためにも、ぜひ、チョコ募金に協力をお願いいたします。

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チョコ募金のお申込み
電話 03-3209-0051(平日10~16時)
FAX  03-3209-0052
ウェブサイトでの申し込みはこちら↓

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2016年11月20日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(306)

「ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち」
1939年、当時チェコスロバキアの子どもたちをナチスの手から救うために、
子どもたちをイギリスに出国させる「キンダートランスポート」が実行された。
それを中心的に行ったのが、ニコラス・ウィントンという人物。
偽のパスポートなどをつくり、669人の子どもたちがイギリスに渡った。
親たちは泣きながら、子どもたちの命を託した。
子どもたちは、イギリスで里親のもと、新しい生活が始まった。
別れた本当の親たちの多くは、収容所で殺されてしまった。

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時を経て、ウィンストンが救った子どもたちは世界中に散り、活躍している。
命をつなぎ、子どもや孫を入れると6000人にもなった。
高齢になったウィンストンと、かつての子どもたちとの対面も。
ウィントンに命を救わた子どもたちやその子孫は、だれかのための生きようとしている。
6000人の人たちが社会のために働いている。
なんともすごい映画だ。

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2016年11月19日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(305)

「ストーンウォール」
1969年、ニューヨークで起きた「ストーンウォールの反乱」は、セクシュアルマイノリティーの権利運動の原点となった。

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その実話をもとに、自由に生きたいと思う若者たちの人間ドラマを描いた。
闘いの記録でもある。

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2016年11月18日 (金)

難民映画祭~ファインダーを覗く子供たち

平成28年11月20日(日)筑波学院大学にて
難民映画祭~ファインダーを覗く子供たち~が開催される。

1120「UNHCR難民映画祭 学校パートナーズ」の一環で、
学生・若者たちに難民の状況を理解してもらおうというイベント。

JIM-NET事務局長の佐藤真紀さんがトークショーを行い、
難民キャンプのUNHCRの廃棄テントを利用したファッションショー等も行われる。

目玉は、ぼくの大好きなバフマン・ゴバディ監督の映画上映。

ゴバディ監督は、イラン出身の映画監督で、「亀も空を飛ぶ」という映画が世界的ヒットとなった。日本でも2005年に岩波ホールで上映され、ぼくも当時一生懸命推奨した。

上映中、岩波は百数十万円の募金を集め、JIM-NETを通してイラクの子どもたちを支援をしてくれた。

今回のイベントで上映されるのは、
『国境に生きる~難民キャンプの小さな監督たち~』
これが素敵なんです。

ぼくは「聴診器でテロと闘う」と言い、
ゴバディは「映画でテロと闘う」と言う。

彼は、難民の子どもたちに夢を持たせるため、子どもたちに簡単なDVDカメラを渡した。
子どもたちが難民の人たちを取材して歩く。
難民の人たちは、ぼくらがカメラを持った時よりもずっと緊張の解けた、真の姿を見せ、思わぬ本音も聞けたりする。
子どもたちは、試行錯誤しながら映画を作り、それをゴバディ監督がコーディネートしていく。彼は、映画を通して暴力と闘っている。

聴診器や、映画や、音楽などでテロと闘ったりすることが
世界の平和につながるのだと思う。

イベントの詳細はこちら:
http://www.tsukuba-g.ac.jp/whats_new/nanmineiga/

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2016年11月17日 (木)

トランプに期待したい医療制度改革

米国新大統領にトランプが当選したことで、世界中が大騒ぎをしている。
トランプは反知性で、きちんとした世界観をもっていない。
それは欠点であるが、長所でもある。
エリートたちがエスタブリッシュメントに取り込まれ、グローバル化という豊かになっていく仕組みを、単なるが金もうけのシステムにした。
そのため、分断と格差が起きた。
そこに手をつっこんだトランプが、分断を激しくさせたが、もともと分断はあったのだ。
おそらくトランプは現実主義者だ。
むしろトランプが共和党のエスタブリッシュメントに取り込まれないことのほうが大事なことのように思う。
選挙中は、いろいろ無茶なことを言っていた。
まず行うのは、オバマケアだとしていたが、オバマと面談した後は、全面廃止にはしないといっている。
けっこうゆっくり変えようとしている。いいことである。

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たしかに、1800万人がすでに入っているオバマケアには問題がある。
日本の国民皆保険制度をまねしてつくられたが、民間の保険にしたために保険料がバカ高かったり、保険の加入のしかたによっては薬代が払われない、治療方法が保険会社に決められているなど、医師が保険会社と折衝しないといけなくなって、多くの医師たちがやる気をなくしているという。
アメリカでは医薬品の値段を自分で決められる制度のため、新しい薬は法外な値段がつけられ、製薬会社は大儲けしている。
オバマケアに関しては、圧倒的に儲けている人たちと、かえって負担が多くなったうえにしっかり健康を守ってくれないということがわかり、不満が募っている。
これもクリントンが負けた理由の一つの可能性がある。
ただ、オバマケアを壊して、市場原理を入れた新制度をつくれば、ますます大企業の餌食になり、国民を守ることはできない。
トランプは落ち着いて、オバマケアの問題点を精査したうえで、構造改革をしたほうがいい。
トランプ政権にとっても、大事なテーマだと思う。

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2016年11月16日 (水)

あさラジ!出演中

今週月~金まで、「高嶋ひでたけのあさラジ!」(ニッポン放送、午前6時~8時)の出演しています。
午前6時17分からの「ラジオ人間ドック」で、長寿と健康のために大切な食について、具体的に語っています。
ぜひ、お聞きください。
 

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東日本大震災に通いながら、仮設住宅にいる人たちの健康を見守ってきました。
被災地の管理栄養士とタッグを組んで、仮設住宅の狭い台所でも、簡単につくれて、
健康によく、おいしいごはんを提案してきました。
たとえば、缶詰や、スーパーのお惣菜に、ほんのひと手間かけて、おいしくて健康によいごはんにするアイデア、など。
月刊「日経おとなのOFF」で掲載してきましたが、「一人暮らしの男性にもいい」「共働きの家庭にもいい」と評判になり、ついにムックになりました。
「Dr.鎌田實のカンタンおいしい!長寿ごはん」(日経BP社)です。
「あさラジ!」では、聞けばすぐに役に立つメニューについても話しています。

ラジコでは、1週間さかのぼって聞けますので、
ぜひ、お聞きください。

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2016年11月15日 (火)

チョコ募金2017

今年もチョコ募金が始まりました。
電話、ファクス、WEBでの申し込みを受け付けています。
11/20までの申し込みは、12/1に発送する予定です。
ぜひ、お早目にお申込みください。

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                                            ◇
今年のチョコ募金のテーマは「いのちの花パート3 物語のあるチョコレート・ヨーロッパ編」です。
イラク・シリアからの難民となって生活している子どもたちのなかには、
劣悪な環境のなかで治療を受けている人がいます。
イマーンさん11歳は、白血病。
ぼくたちJIM-NETの支援でインドへ骨髄移植に行ったことも。
骨髄移植をした後も、定期的に検診を受けるため、インドへの渡航費用も支援してきました。
「いつも日本人に助けてもらっている」
イラクを発ってドイツに逃れた彼女がかいてくれたのが、チューリップです。

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マーガレットの絵をかいてくれたのは、サルディンちゃん9歳。
彼女の母親ハナーンさんは、ぼくたちがドホークに入るときに協力してくれました。
ヤジディ教徒であるハナーンさんがいてくれたことで、ぼくたちはヤジディ教徒のいる難民キャンプに入ることができ、信頼を得ることができました。
3000人近い人がISにシンジャール山で拉致され、そのなかには若い女性もいました。
ISから逃げてきた女性たちの診察を頼まれたこともあります。
シンジャール山では5000人近いのヤジディ教徒が殺されたといわれています。

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ハナーンさんは3人の娘を守るために、迷った末にヨーロッパに渡りました。
難民としてドイツに住むことができれば、自分はもう一度、ドホークに戻って、JIM-NETと一緒に支援活動したいといってくれています。
「どんなに苦しいときでも、人のために働くことがISへの抵抗だ」とハナーンさんは言います。
チョコ募金のお申し込みはこちらから

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2016年11月14日 (月)

アルビルのPHC診療所

JCFはイラクのアルビルに、2箇所のPHC(プライマリ・ケア・クリニック)建設の協力をしてきた。
イラク国内の融和と医療レベルの改善が目的。
写真は、はじめにできたハルシャム診療所のスタッフたちだ。
次にできたゼーリン地域の診療所も軌道に乗り始めている。
イラクではPHC診療所がA~Dまでランクされているが、ハルシャム診療所はAランクになった。

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JCFは心電図やエコー、血液検査の機器を整えてきた。
クルド側は、場所と建物のの提供。
アラブ側は医師をはじめとしたスタッフ、薬の提供、という分担で行ってきた。
クルドとアラブは仲が悪いが、このように協力し合うのは現地でも珍しいといわれている。
PHCを支援する日本の取り組みが、接着剤になっているのだ。
これを行ってきたことで、新たな難民キャンプの医療支援の検討会議などにも参加を求められるようになった。
できるだけ、クルドとアルプが協力し合えるようにしながら、支援を続けていきたい。

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2016年11月13日 (日)

訓子府へ

健康づくりの講演で、網走から1時間くらい、訓子府(くんねっぷ)へ。
訓子府では、保健師や住民がぼくの本を何冊も読みこんで、
自分たちでまとめをつくり、訓子府と長野県がどう違うのか、比較していた。
見事な勉強ぶりだった。

161104img_5537 どんよりとした雪空に、陽がさした

北海道は脳卒中が多い。
がんも青森とワースト1、2位を争っている。
糖尿病も多い。
この講演会がきっかけとなり、地域が健康になっていくといいなとと思う。
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網走ラーメンを食べた。
カニが入っているのがすごい。
北海道は、どこの食堂もラーメンがうまい。

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2016年11月12日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(304)

「MERU/メルー」
ヒマラヤ山脈にある人を寄せ付けない難攻不落の山に挑戦する人たちのドキュメンタリー。
圧倒的にすごい。
美しい山の景色が迫ってくるが、そこに描かれるのは人と人とのドラマだ。
友情、チーム、なぜ命がけで壁にぶつかるのか。
登山をしない人でも、この映画をみると、人生の壁にくらいついてみようという気にさせる。
決断すること。
自分が背負えるリスクはどこまでか判断すること。
天候や時間をマネジメントする力。
何度か雪崩の映像も出てくる。
それでも、そのなかで生きようとする人のすごさ。

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なぜ、命をかけてでも登ろうとするのか。
そんな野暮な質問ができなくなってしまう。
まぎれもなく男たちには夢があった。
本当にすごい映画だ。

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2016年11月11日 (金)

チョコ募金キックオフ「光を世界へ」

11/19に、楽しく、美しい音楽のコンサートを開きます。
ゲストは、ピアニストで作曲家のウォン・ウィンツァンさん。
作詞家で音楽評論家の湯川れい子さん、女優の斉藤とも子さん、
そして、ゴスペルスパークル、IndivNotesが協力してくれます。
もちろん、鎌田も出演します。
                       ◇
今、イラクのモスルでは、ISからの奪還作戦が行われ、激戦が繰り広げられています。
そのモスルから60キロ離れたところで、JIM-NETは、難民キャンプの診療所の支援や、車に診療所を積んだモバイル診療所などで支援しています。
2017のチョコ募金もすでに、ファクスではたくさんの人から協力の申し込みがありました。
11/15からはインターネットでも申し込みができます。
チョコ募金のキックオフとなる「光を世界へ」コンサート、
ぜひ、ご来場ください。

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チョコ募金キックオフ チャリティトーク&コンサート「光を世界へ」
◇日時
2016年11月19日(土)18:30開場/19:00開演
◇会場
南大塚ホール
JR山手線:大塚駅南口より 徒歩約5分
都電荒川線:大塚駅前より 徒歩約5分
地下鉄丸の内線:新大塚駅より 徒歩約8分
◇入場料
3000円(前売り券)/3500円 (当日券)
小中高生1000円/幼児無料
◇お申し込み方法
以下の郵便振替口座にチケット代を必要枚数分お振り込みください。
お振り込みを確認次第、チケットをお送りいたします。
◆お振 り込みの締め切りは11月11日(金)です。
◆全席指定席(お申込順)
郵便振替口座 00540-2-94945 日本イラク医療ネット
*振替用紙に「11月19日チケット代」とご記入のうえ、枚数をご明記ください
*JIM-NETのHPより、カード決済もご利用いただけます。http://jim-net.org/support/donation_event.php
主催・お問い合わせ
日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
03-6228-0746/080-4837-4015
info-jim@jim-net.net
詳しくはこちら↓

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2016年11月10日 (木)

地域包括ケアシステムとは何か69

愛知県に行くと、喫茶店のモーニング文化が広範に広がっている。
全国的に喫茶店がどんどんつぶれて、チェーン店のカフェに凌駕されてしまっている。
しかし、愛知は独特のモーニングサービスがあり、元気がいい。
ほとんどコーヒーの一杯の値段で朝ごはんが出る。
ヨーグルトやサラダ、卵料理がつき、そのうえ、スープやスイーツが出る。
パンとそうめんが選べるところもある。
開店前に行列ができる店もけっこうある。
愛知県は、糖尿病がいちばん少ないと言われている。
がんの死亡率も全国2位の低さ、心臓疾患の死亡率も少ないほうから数えて3位。
健康県である。
これを支えているのはもしかしたらモーニングサービスかもしれない。
朝食を食べる人ほど、血糖値スパイクといい、血糖値が急激に上がるのを抑えてくれる。
朝食を抜く人のほうが糖尿病になりやすいといわれている。
糖尿病になると、がんになる率も高くなるというはっきりしたデータもある。
もちろん、糖尿病になると、動脈硬化が早く進み、脳卒中や心臓病も多くなる。
モーニングを食べに、高齢者も集まってきている。
若い人や高齢者が声をかけあい、あいさつする。
朝の時間、ちょっとした交流が生まれることで、助け合いにつながる。
朝の喫茶店が公民館みたいな存在になっている。
アメリカにはロゼット伝説というのがある。
昔の話だが、ペンシルベニア州のロゼットという町では、みんながよくあいさつをし、困ったことがあると声をかけあったりした。
そのときアメリカ中でいちばん心筋梗塞が少ない町になり、健康の町といわれた。
これが、ロゼット伝説だ。
愛知県を糖尿病の日本一少ない地域にしているのは、ロゼット伝説に近いのかもしれない。
地域包括ケアは、ここから学ぶことがたくさんあると思う。

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2016年11月 9日 (水)

地域包括ケアシステムとは何か68

認知症カフェの取り組みから、何を学ぶか。
地方では空き家が問題になっている。
この空き家を利用して、認知症カフェを開き、夜になったら居酒屋をやる。
人が集まる場所ができて、若者もUターンやIターンをしやすくなったりする。
地域包括ケアは20面相だ。
一つの顔で勝負しないで、2つの顔、3つの顔をもっているといい。
たとえば、月と水は、子ども食堂をするなんてことになれば、居酒屋と子ども食堂と認知症カフェがつながったりする。

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その隣に小規模多機能を運営すれば、介護者のレスパイトとして、お年寄りを泊まってもらうこともできる。
そのとき、お酒が好きな人は隣の居酒屋で楽しむ。
雰囲気だけでも楽しくなる。ビール一杯くらいは飲みたい人は飲んでもいいと思う。
みんなが、自由な発想で、介護保険を上手に利用しながら、新しいビジネスを始める。
成功したら、それをチェーン化したらいい。
いいことをしようとするとき、まっとうな社会は足をひっぱらない。
応援してくれる人たちが次々に出てくる。

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2016年11月 8日 (火)

地域包括ケアシステムとは何か67

ラジオ番組「日曜はがんばらない」(文化放送、日曜午前10時~)に、目黒区で認知症カフェを立ち上げた竹内弘道さんにゲスト出演してもらった。
アルツハイマー型認知症の母親を20年近く、自宅で介護した経験がある。
家族会をつくり、支援者の会をつくったりしてきた。
存命中には間に合わなかったが、市民の交流スペースをつくりたいと思っていた。
2012年、母親が亡くなった後、自宅の2階で認知症交流会「ラミヨ」を開いた。
お母さんの名前「みよ」から取っている。
認知症カフェの原点が始まった。
やがて、目黒区や東京都に注目され、NPO法人Dカフェまちづくりネットワークをつくった。
行政の支援を受けながら、いま目黒区内に10か所、Dカフェがある。
ある医療機関にあるDカフェさんまは、目黒のさんまをもじっている。
ネーミングからしておもしろい。
DカフェのDは「ディメンシア」(認知症)という意味だ。
「だれでも」のD、「デモクラシー」のDだでもあるという。
竹内さんは「300円のデモクラシー」と呼んでいる。
参加者はみんな300円をはらう。いれたてのおいしい本物のコーヒーとお菓子がつく。
みる側とみられる側とが水平の関係をつくろうとしている。

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10か所にはそれぞれ特徴がある。
作業療法士がいて、手仕事を教えてもらえてもらえるようなリハビリ工房もあれば、
ケアマネや医師が参加して認知症介護の相談を家族に行えるようなところもある。
ケアマネと知り合いたいというところがあったり、おしゃべりがしたいというところがあったり、
認知症のことをもっと知りたいというDカフェもある。
そんななかでぼくが注目したのは、居酒屋「養老乃滝」のなかにあるDカフェ。
居酒屋が昼、Dカフェをしているなんておもしろい。

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2016年11月 7日 (月)

さださんと南富良野へ

北海道の南富良野へさだまさしさんと、風に立つライオン基金の支援金を届けに行ってきた。
今までめったに氾濫することがなかった空知川が、8月末、台風から変わった温帯低気圧による大雨で氾濫した。
主にトマト栽培をしている鳥羽農場では、11のビニールハウスが根こそぎ濁流にのまれた。
トマトはJAにも出しているが、鳥羽農場のトマトジュースというブランドを立ち上げ、
おいしいと評判になりだした矢先のことだった。
「負けてはいられない。再スタートを切りたい」と、鳥羽さんは言われた。

161029img_5515_2 決壊した堤防を補修する空知川

ある女性のお宅は、床上47センチまで浸水した。
家の中がめちゃめちゃになって、立ち上がれないほどショックを受けた。

だが、ボランティアが泥かきをしてくれたおかげで、自分でも家中きれいにしようと、洗ったり、みがいたりする力がわいてきたという。
床は全部、張り替えないといけいない。
いろんな問題はあるが、負けるわけにはいかないという。
彼女は、イラク戦争が始まったとき、戦争に反対して、「希望」というタイトルでカトレアなどで押し花アートをつくった。
つい最近、また「再生」というタイトルで押し花アートをつくったという。
まさに南富良野の希望と再生を暗示している。
この様子は、11/3、日本テレビ系「ニュースエブリ」でも放送された。

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2016年11月 6日 (日)

釜揚げそば

飛行機で出雲へ。
生まれて初めて、釜揚げそばというものを食べた。
濃いそば湯に、だしを入れて、かけそばのようにして食べる。
海藻やネギ、おかかがついていて、風味がいい。

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割りこそばも、そばの上につゆをかけて食べる。
信州とはまったく違う食べ方だ。
そばの食べ方ひとでも、食文化がずいぶん違い、山陰の食文化は豊かだなと思った。
講演は、学校の先生を中心にして一般の人にも呼び掛けたところ、1300人の会場に、2500人の応募があった。
子どもたちの命の話をさせてもらった。

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2016年11月 5日 (土)

ほっとする横丁の味

新宿西口の飲み屋横丁。
ここに来ると、心がほっとする。
最近は、外国人観光客でだいぶにぎわっている。
夕食の時間帯に行くと、並んでいてなかなか入れない。

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人混みをかきわけ、ぼくが頼むのは、ソース焼きそば。
ここのソース焼きそばはとにかく抜群。

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2016年11月 4日 (金)

地域包括ケアシステムとは何か66

この国の医療、介護はどうなるか。
2016年診療報酬改定が行われた。
そこから2018年の診療・介護報酬同時改定で何が行われるか読み解いてみる。
医療分野では地域医療構想が急性期医療や高度急性期、慢性期の区分けをはっきりさせている。
そのなかで地域包括ケア病床の評価が拡充された。
病床はできるだけ減らしながら、地域包括ケア病床はできるだけ増やそうとしている。
回復期リハビリ病棟は軽い人はできるだけ入れず、重症度が高い人のリハビリをしようとしている。

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リハビリや在宅を重視しているのは間違いないが、例えば、在宅専門診療所に対しても、重症患者割合などの要件が満たされていないと、低い管理料にするなど、ペナルティも出てきている。
集合住宅への訪問診療は、効率よく利益があがるシステムとして注目され始めている。
退院の指導や連携のための指導、など各種の引き上げが行われ、まちがいなく2018年の同時改定で、地域包括ケアシステムの構築や在院日数を短くして、退院患者の受け皿づくりや認知症の高度の人の地域の対応などが大きなテーマとなる。
医療と看護、介護の連携が間違いなく問われていくだろう。

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2016年11月 3日 (木)

地域包括ケアシステムとは何か65

地域包括ケアの話をするために、青森、秋田、松戸など飛び回っている。
国がお金を出せず、施設をたくさんつくれないから、その下請けのように地域で介護問題を対応するという姿勢ではなく、
地域包括ケアシステムそのものが魅力的でもおもしろいものを目指してほしい。
地域包括ケアに取り組むことは、医療や看護、介護が再生でき、地域も再生できるチャンスなのだ。

161028img_5467 秋田で食べた稲庭うどんとニシンのわっぱめし

ファンドマネジャーや医師、社会福祉の専門家、ブランディングのプロなど一緒にはじめた地域包括ケア研究所が10月末、法人登録された。
いよいよ本格的な地域包括ケアづくりが始まる。

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2016年11月 2日 (水)

ご支援をお願いします

イラクのISの拠点モスルへの総攻撃が始まった。
モスルからのたくさんの避難民が出てくることが予想され、
ドホークやアルビルの北のほうに難民キャンプがつくられている。

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薬倉庫が焼けたため、JIM-NETやJCFは薬倉庫を再使用できるように支援を頼まれた。
たくさんの避難民のために、難民キャンプでのモバイルクリニックも展開することになるだろう。
ぜひ、JIM-NETやJCFにご支援をお願いいたします。

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2016年11月 1日 (火)

第4回 東日本復興支援 手作り展 ~熱海 起雲閣にて~

今年も、東日本震災復興支援のための手作り展が
熱海・起雲閣にて開催されます。

出展・企画して下さっているのは、
長きにわたって、JCFをサポートしてくださっている方です。

古布小物、クラフトかごバッグ、ステンシル洋服、陶器、草絵など
すてきな手作り品を、展示・販売し、
売上金から経費を除いた金額を
JCFの福島被災者支援に寄付して下さいます。

本当にありがたい活動です。

ぜひみなさま、熱海・起雲閣へ足を運んでください!

2017年1月
26日(木)11:00-16:30
27日(金)9:15-16:30
28日(土)9:15-15:00

熱海 起雲閣 音楽サロンにて 詳しくはこちら :
http://www.at-s.com/event/article/living/291993.html

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