緩和ケア病棟でお蕎麦の会。
入院患者さんや家族が、おいしいだしの匂いにつられてか、たくさんやってきた。
「おいしい、おいしい」
満足げに、蕎麦をすする女性もいた。
40代の料理人の男性が、消化器のがんになった。
奥さんと小さな子どもがいる。
病気は非常に厳しい状況ではあるが、少しでも前を向いて生きようとしている。
子どもに、自分の考えていることを伝えてあげたいと思っているという。
肉蕎麦ととろろ蕎麦を食べながら、
「ぼくはパンを焼くのが得意」というその男性。
オーブンがあるから、今度、おいしいパンを焼く会をしよう、という話になった。