風に吹かれて
ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディラン。
「風に吹かれて」は何百回も聞いてきた。
どれくらい砲弾が飛び交えば二度と撃たれないようになるのか友よ その答えは風に吹かれているその答えは、風のなかに舞っている
これからイラクの難民キャンプへ行く。
そこで、この歌詞がぼくの頭の中で何度も繰り返されるだろう。
たくさんの子どもたちが傷ついた。
たくさんの女性が傷ついた。
どれほど多くの人たちが傷ついたら、戦争は終わるのだろう。
イラクの砂漠もこれから冬。
イラクに吹く風のなかに、ボブ・ディランの歌を聞いてきたいと思う。
来年1月、新刊『遊行を生きる』(清流出版)が発売される。
そのなかに、ボブ・ディランが尊敬していた詩人のことを書いた。
ぼくは、ボブ・ディランは2人の詩人に影響を受けたと勝手に思っている。
一人はディラン・トーマス。
もう一人は「吠える」の詩人アレン・ギンズバーグ。
ギンズバーグはの詩は難解だが、繰り返し読んでいると、歌のようになっていく。
ギンズバーグ自身も朗読パフォーマンスを意識したことがあった。
アメリカを否定しながら、自由と解放の道をつっ走った2人の詩人。
詩が反抗の代名詞だった。
ボブ・ディランはその血、怒れる若者の血を受け継いでいるように思う。
イラクの難民キャンプで、難民たちの怒りや絶望、悲しみを聞いて来ようと思っている。
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