鎌田劇場へようこそ!(318)
「エゴン・シーレ 死と乙女」
すごい映画。
ぼくはエゴン・シーレの絵が好きで、ウイーンのレオポルド美術館にまで見に行ったことがある。
映画のそこかしこに、スケッチや油絵の大作が出てくる。
この映画のテーマとなっている「死と乙女」は、死の匂いをぷんぷんさせるような作品。
「男と女」というタイトルだったが、28歳で死ぬ直前、シーレ自身が「死と乙女」というタイトルに変えている。
シーレは、妹をはじめ、次々とモデルを選び、かきたいものを描いていく。
やがて、クリムトのモデルだった17歳のヴァリと出会う。
美とエロスを追求し、描き続けるエゴン・シーレだが、社会からはゴシップ的に、スキャンダラスにとらえられてしまう。
シーレは上流階級のエディットと結婚。
ヴァリは失意のまま、従軍看護師にな戦死する。
シーレは、妻エディットの姉アデーレをモデルに傑作をかいているが、映画ではこのへんは描かれていない。
ただ、エディットを描いた最高傑作「家族」が壁にもたせかけてあり、ちらっと登場する。
その後、シーレ夫婦はスペイン風邪に冒され、亡くなっていく。
第一次世界大戦前後のヨーロッパの退廃した空気がえがかれている。
そんななかで必死に人間性の復活を描こうとしたエゴン・シーレのもがきが感じられる。
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