鎌田劇場へようこそ!(323)
「たかが世界の終わり」
監督は、グザビエ・ドラン。
これほど不器用な人はいないのではないか思えるほど、生きるのが不器用な人たち。
崩壊しかけた家族の物語だ。
主人公の男は、ホモセクシュアル。
12年ぶりに家に帰る。
自分に迫った死を告げるために。
何の病気か語られてないが、HIVかもしれない。
だが、そんなことはどうでもよく、「命が迫っていること」そして「家族を愛している」と告げたいのに、両方とも語れない。
そのうち家族は怒鳴り合い、家がどんどん壊れていく。
映画の冒頭に音楽が流れる。
「この家には屋根がない。
この家にはドアがない。
この家にはドアノブがない」
なんにもない家。
だけどそこには真剣に生きようとする人たちの葛藤があった。
その葛藤は、すがすがしくなるくらいだ。
さすが鬼才ドラン。
愛を求めて葛藤する人々の微笑ましい姿が見えてくる映画だ。
映画はやっばりいいな、ときっと思うと思う。
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