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2017年1月26日 (木)

聴診器でテロと闘う(68)

イラク政府軍を中心にしたモスル奪還攻撃により、ISは西側に撤退している。
東部の住民は自由になり、デバガのキャンプに逃げてきた。
そこには診療所がないため、ぼくたちは資金を出してモバイルクリニックをつくる支援している。
デバガがすでにいっぱいになったため、ハーゼルキャンプにテントを建て、モスルから来てきた避難民を受け入れている。
ハーゼルキャンプは、アルビルとモスルのちょうど中間にある。
避難民のなかにISの兵士が紛れているといけないため、スクリーニングが行われている。
周囲も金網で囲われ、自由がない。
「まるで収容所だ」と、避難民からは不平が出ている。
金網越しに、野菜や果物、肉、子どものおもちゃなどを売り買いする姿もみられる。

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100人ほどの避難民に、「このなかでISに家族を殺された人はいますか」と聞くと、
ばらばらと手が挙がった。
さらに「話をしてもいい人はいますか」と聞くと、男性が一人手を挙げた。
ただし、ここではなく、自分のテントの中ならいいと。
その男性は弟を殺されたという。
携帯電話にイラクの兵隊になった友だちの電話番号があっただけで、
頭に一発、胸に4発銃弾を撃ち込まれて殺された。
まだモスルには知人や友人が100人ほど残っている。
彼らが殺されなければいいが、と彼は心配していた。

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ハーゼルキャンプでは、ひっきりなしにモスルから負傷者を乗せた救急車が到着する。
モスル奪還は、今後、泥沼の戦いになる可能性が予想されている。
あと3か月で奪還できるとは思えない。
大変な戦いになりそうだ。

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