鎌田劇場へようこそ!(325)
「家族の肖像」
圧倒的にすごい。
美を追い求めるヴィスコンティの晩年の傑作。
生誕110年没後40年を記念して、デジタル完全修復版ができた。
スイスで65歳ごろ、病に倒れたヴィスコンティ。
同じ病院に、文豪トーマス・マンが入院していた。
トーマス・マンの「ベニスに死す」を映画にしている。
グスタフ・マーラーを流しながら、これぞ映画という映画をつくった。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「異邦人」「ルートヴィヒ」など数々の名作を残した。
そのなかでも「家族の肖像」はすばらしい。
家族の肖像の絵に見とれ、世の中から離れて静かに生活している男。
そこへ、騒がしい連中が乗り込んでくる。
しかし、やがて、まったく趣味の違う人たちに家族のようにシンパサイズしていく。
人間の心の不思議さが見事に描かれている。
バード・ランカスターがすごい。
クラウディア・カルディナーレがちょっとだけ出てくるが、その美しさはただものではない。
ヴィスコンティ大好き。
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