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2017年2月

2017年2月28日 (火)

被災時の介護を守る

日本テレビ「ニュースエブリ」の取材で、気仙沼にある特別養護老人ホーム「春圃苑」に行ってきた。
ここは東日本大震災後、被災した要介護の高齢者を受け入れた。
ぼくは2011年5月7日に訪ねている。
定員は60人だが、120数人にもなり、廊下もリハビリ室もベッドであふれかえった。
全国からPTやOTが集まり、応援してくれた。
スタッフ自身も被災していたが、何日も家に帰らず、介護を必要とする人たちの命を必死に守った。
家を流され、家族を亡くした介護士ともお会いした。
あれから6年近くたち、必死に生きてきたがこれでいいのかと思うこともあるという。
まだ家族のご遺体が見つからないスタッフもいた。

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施設長の阿部さんは、施設の責任者としては、行き場のない人に頼ってこられれば受けるのが当たり前と引き受けたが、
本当によかったのか自問自答していたという。
そんなときにぼくが施設を訪ね、感染症対策などを評価したことで、心の重荷が軽くなったという。
その後、毎日新聞の「さあこれからだ」で、ぼくが春圃苑のがんばりを紹介したことも、
職員や役員も自分たちのグループの運営に間違いがなかったと自身を深める確かな契機になったという。
もうすぐ6年目の3月11日がやってくる。
ここの職場は働きやすいのか、スタッフみんなが目標をもって働いているという。
訪問介護をしているグループが手がまわらなくなったときは、ほかの施設の介護士がピンチヒッターに立つ。
利用者のニーズにこたえようという姿勢が全体にいきわたっている。
ニュースエブリの番組では、大船渡の特養「ひまわり」も訪ねた。
この様子は、こちらから見ることができます。
ぜひ、ご覧ください。

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2017年2月27日 (月)

『遊行を生きる』

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本日の読売新聞に『遊行を生きる』(清流出版)の広告が出ています。

僕は悩みながらこの本を書きました。
でも、「遊行」という考え方に出合って、
生きるのが楽になりました。
楽しくなってきました。

『遊行を生きる』(清流出版、1000円+税)

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2017年2月26日 (日)

お知らせ

日経マネー4月号
リーダーからの金言のコーナーで、大きく『遊行を生きる』(清流出版)が取り上げられています。
鬼は「内」、福は「外」で自由を掴む。
鎌田流の発想の転換法が紹介されています。

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時事通信からの配信され、各県の新聞で『遊行を生きる』が紹介され始めています。
ありがたいことです。

文藝春秋2017年3月号
「安楽死したい」と問題を提起した橋田寿賀子さんと、鎌田が対談しています。
とても好評で、雑誌には珍しく増刷になりました。
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「毎日が発見」2017年2月号
「もう高血圧で悩まない! 血圧をラクラク下げる9つの習慣」も大好評。
こちも増刷になりました。
ぜひ、ご覧ください。

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2017年2月25日 (土)

お知らせ

3月12日午後5時30分から
大阪市中央区にある隆祥館書店で『検査なんか嫌いだ』(集英社)出版記念の講演会を開きます。
小さな会場ですので、すぐにいっぱいになると思います。
書店に問い合わせ、予約をとったほうがよいかと思います。
お近くの方は、足をお運びください。
~~本当に必要な最小限の検査ってなんだろう~~
『検査なんか嫌いだ』発刊記念イベント

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日時 2017年3月12日 5時開場、5時30分開演
会場 隆祥館書店 5階多目的ホール
   大阪市中央区安堂寺町1-3-4 谷町6丁目 ⑦番出口向かい
参加費 1000円+『検査なんか嫌いだ』1080円
    当日の場合は、1500円+『検査なんか嫌いだ』1080円
※要予約・事前購入制、申し込み順
申し込み、問い合わせは隆祥館書店 TEL:06-6768-1023 
隆祥館書店のブログはこちら↓

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2017年2月24日 (金)

新刊「検査なんか嫌いだ」発売

「検査なんか嫌いだ」(集英社)が本日、発売です。
がん検診のなかでも、意味のある検診は?
検査すべてが意味があるわけではありません。
日本は世界一長寿で健康な国といわれているのに、人間ドックで「異常なし」は6.6%しかいない事実を知っていますか。
アメリカでは70歳以上の人のコレステロール値は下げてはいけない、コレステロール値が低いほうが死亡率が高い、と明言しています。
なのに、日本では高齢者でも頻回にコレステロール値を測るのはなぜなのでしょうか。
痛くなくて、お金もかからない体重や血圧でも、注意すれば自分が健康状態がみえてくるものです。

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検査にまつわる疑問、具体例をわかりやすく書きました。
ぜひ、読んでください。

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2017年2月23日 (木)

キーワード

日本テレビのプロデューサーから電話がかかってきた。
富山で法事があり、たいへん有名なお寺の住職がお経をあげた。
その住職が法話で、釈迦の話をした後、「鎌田實という方が、『遊行を生きる』という本を書いている」すばらしい本だと話したという。
終わった後、あいさつに行き、鎌田先生とテレビの取材でいろんなところをご一緒していると話すと、えらく尊敬されたという。
プロデューサーは笑いながら、そう話してくれた。

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日本テレビ「ニュースエブリ」の「キーワード」というコーナーが好評だ。
いろんなニュースをキーワードで切る、という特集だ。
ぼくは木曜日の担当。
ここ最近の回では、アカデミー賞を控え、鎌田のおすすめ映画「ラ・ラ・ランド」「たかが世界の終わり」「マン・ダウン」を紹介したり、歌手の神野美伽さんと被災地を訪ねたりしている。
本日も、ぜひ、ご覧ください。

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2017年2月22日 (水)

JBPress第二回連載

JBPressで連載を始めた「鎌田實のヌーベルバーグ」
本日水曜は、第二回の配信日だ。
「ピンチはチャンス、長野県はなぜ日本一になったか」
 
この連載では、ともに地域包括ケアを実践する異業種のクリエイターの人たちや、
国際医療支援を続けるJIM-NET、JCFの人たちが起こす「ヌーベルバーグ」(新しい波)をご紹介する。
ぜひ、読んでください。

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2017年2月21日 (火)

日本へのラブレター 

震災の絶望のなかで日本へ届いた
「5千の愛の言葉」これはすごい!
絶望を希望に変えるラブレターがあったのだ。

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世界中から届いた日本へのメッセージを書籍化した
「日本へのラブレター ~世界から届いた5000通のメッセージ」
(NHKワールド・ラジオ日本・著  あさ出版)

エジプト、イラク、イラン、モロッコ、中国、マカオ、香港、台湾、韓国、フィリピン、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、スリランカ、
バングラデシュ、ベトナム、インド、パキスタン、ケニア、タンザニア、カメルーン、ベネズエラ、エクアドル、チリ、ウルグアイ、メキシコ、コロンビア、エルサルバドル、キューバ、アルゼンチン、ブラジル、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、イギリス、 フランス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、アメリカ、カナダ、 オーストラリア  など、50の国・地域から届いた5000通超のメッセージ。

あと少しで6000部突破!
応援してください。

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2017年2月20日 (月)

メディカルジャパン大阪

メディカルジャパン2017大阪大が先週、開催された。
医療ITや医療機器、看護・介護用品、先端技術、製薬などの「医療の総合展」。
3万4000人が集まる大きなイベントだ。
その初日、テープカットをし、記念講演をした。
「魅力的な地域包括ケアをどうつくるか」たっぷりと鎌田節で話した。

20170215img_6227 メディカルジャパン大阪の会場

以前、高齢になっても障害があってもあきらめず、鎌田と一緒に旅をしようとバリアフリーツアーをしていたが、二度ほど参加してくれた施設暮らしのカツマさんの顔もあった。
技術者や医療者、ビジネス関係者が多い人たちのなかで、聞きに来てくれたのだ。

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2017年2月19日 (日)

2/27からアルビルへ

信州大学の中沢教授や若い小児科のドクターと、2/27からイラクのアルビルへ行ってきます。
小児白血病の治療成績を上げるために、輸血システムの再確認や院内感染の予防、感染症の治療など、
それぞれの病院のクオリティーを調査してきます。
ネット環境がよければ、アルビルからブログをお送りしたいと思います。

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チョコ募金もほぼ無事に完了しました。
絵ハガキもたいへん好評で、多くの人に買っていただきました。
これらの収益は、イラクの子どもたちの薬代になります。
JIM-NETがつくったチャイルドケアハウスの状況も見てきたいと思います。

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2017年2月18日 (土)

米軍、劣化ウラン弾使用か

ワシントンポストが2/16のオンライン版で、「アメリカ軍が2015年、シリアで劣化ウラン弾を使用した」とすっぱ抜いた。
今まで、ペンタゴンは対IS攻撃で劣化ウラン弾は使用しないと言っていたのたが、数千発も使用したようだ。

The roughly 5,265 rounds of the munition were fired from multiple A-10 ground attack aircraft on Nov 16, 2015, and Nov. 22, 2015, in airstrikes in Syrias eastern desert that targeted the Islamic States oil supply during Operation Tidal Wave II, said Maj.JoshJacques, a U.S. Central Comman d spokesman.

The strikes, which involved 30mm cannon fire, rockets and guided bombs , destroyed more than 300 vehicles, mostly civilian tanker trucks, the Pentagon said at the time.

Image002055db1479266a558b0fabedd19a JCFはシリアからの難民やイラクの国内避難民に支援物資を配るなどの活動をしている

イラクで子どもたちの白血病や小児がんを診ているドクターたちは、
病気と劣化ウラン弾との関連を想定している。
いまJCFのスタッフとなっているイラク出身の小児白血病の専門医リカア先生のデータでも、
劣化ウラン弾と遺伝子の変異が、次世代シーケンサーの検査によって解明されつつある。
劣化ウラン弾は即刻、使用を廃止すべきだと思う。

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2017年2月17日 (金)

公開対談のお知らせ

『毎日が発見』読者限定イベント

鎌田實×小林照子さん 特別公開対談

3月17日(金)13時~14時半  
会場/東京・飯田橋 角川第1本社

定員80名(要事前応募) 応募締切/3月9日(木)
 

Mainichi

KADOKAWAグループの月刊『毎日が発見』読者限定イベントです。

『毎日が発見』は書店では販売していません。

下記のお電話から、『毎日が発見』2月号か3月号(680円税込)をご購入いただき、
8ページの応募券でご応募ください。


フリーダイヤル0120-325-012(9時~18時、土日祝も受付)


http://www.mainichigahakken.net/

ご参加お待ちしております!

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2017年2月16日 (木)

神野美伽さんと大船渡へ

がんばらない介護生活を考える会が集めた募金25万円を持って、大船渡のリアスホールに行ってきた。
1050人の定員のところ、1200人以上の申し込みがあり、やむなくお断りする人も出て、
申し訳なく思っている。
地域包括ケアをどう使うかという話をしてきた。

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鎌田の講演の後は、神野美伽さんの歌。
会場は大いに盛り上がった。
ふだんこういう会に出てこないだろう漁師のオジサンたちも、奥さんと一緒に参加。
最後は全員総立ちで、踊りだす人も出た。
神野さんはすべてボランティアでやっていただいた。
ぼくの新刊『遊行を生きる』を気に入ってもらったようで、
往復の新幹線のなかで読み切ったという。
「今の自分にとても役に立つ言葉がある」とうれしい言葉。

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2017年2月15日 (水)

JBPress連載スタート

本日2/15より JBPressの連載がスタートします。
http://jbpress.ismedia.jp/

「鎌田實のヌーベルバーグ」
ヌーベルバーグとは、新しい波です。
鎌田實と関係している若い人たちが、新しい波を起こしていく。
そんな連載企画です。
どなたでも無料でお読み頂けます。

毎週水曜日 配信。
おもしろいので、ぜひご覧ください。

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鎌田劇場へようこそ!(239)

「わたしは、ダニエル・ブレイク」
2015年のカンヌ映画祭最高賞受賞。
監督はケン・ローチ。
「ジミー、野を駆ける伝説」を最後に引退を宣言していたが、格差や貧困を描くこのスト―リーにみせられ、
名匠が再びメガホンをとった。
すばらしい映画だ。
さすがケン・ローチ。
イギリスのロボットのような官僚機構。
普通に税金を払って暮らしていた大工のダニエルが、すべてを売り払い、
あと一歩で路上生活になるまで追い詰められる。
偶然、シングルマザーと出会う。
2人の友情がいい。
だが、徐々に破滅に向かう。
子どもに新しい靴を買うために、彼女は身を売ることになるのだ。

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もう若くないダニエルは病を抱えながら、職業安定所に通わなければならない。
仕事ができるないのはわかっているが、給付金をもらうために通うのである。
日本の失業手当と似ている。
もっとあたたかなシステムがあれば、転落しなくてもすむはずなのに、
社会のシステムが、丁寧に、真面目に、明るく、誠実に生きている人間の足をひっぱってしまう。
「わたしは、ダニエル・ブレイク」
感動の映画だ。

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2017年2月14日 (火)

地域包括ケアシステムとは何か78

茅野市の施設にいるFさんを、奥先生と往診に行った。
Fさんは、諏訪中央病院が市内から現在のところに移転するときの功労者の一人である。
「うれしいな」
ぼくの顔を見るなり、そう言った。
骨肉腫と診断されて5年以上になる。
Fさんは手術や抗がん剤治療を望まなかった。
「自分はやりたいことができ、楽しかった。
だから、もう無理な治療はしなくていい」

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奥さんは数年前に突然、脳卒中で他界した。
生きているときには元気な人で、狭心症があり、冠動脈のバイパス手術を受けていたが、「夫婦二人でキノコ採りや旅行に行き、楽しく生きます」と言っていた。
日本中のおいしいお酒がある家だった。
ジゴボウという地元のキノコをよくいただいた。
奥さんが亡くなった後、Fさんはこの施設に入った。
十分、満足しているという。
昔、彼は諏訪中央病院の移転のために1万坪近い土地を取得するのに奔走した。
ぼくはよく覚えていないのだが、Fさんによると、ぼくとFさんは、一本ずつ一升瓶の日本酒を買って、集落の集まりに頭を下げに行ったという。
〈病院の周囲に、特養や老健などの施設をつくり、年をとっても安心して暮らせる地域を作りたい〉
お酒を飲み交わしながら、みんなで夢を語っているうちに、何人かいた反対者も態度を軟化しはじめた。
「楽しかったなあ」とFさん。
「もういつお迎えが来てもいいと思っていたけど、こうして先生が突然、来てくれると、
もう少し生きてもいいな、と思うようになりますよ」
地域包括ケアは思い出とつながっている。

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2017年2月13日 (月)

コラムのお知らせ

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プレジデントオンラインに
「なぜ人はラクに生きられないのか」というコラムが載りました。
新刊「遊行を生きる」を取り上げてくれています。
ご覧ください。

http://president.jp/articles/-/21318

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遊び心の杏仁豆腐

チョコ募金がほぼ完売となった。
毎年行っている鎌田主催の慰労会を、今年は中華料理の源来酒家で開いた。
おいしい中華を食べながら、ボランティアで協力してくれた方などを紹介し、労をねぎらった。
最後のデザートで、杏仁豆腐がでた。

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なんと、「遊」「行」「生きる」などの文字。
ぼくの新刊『遊行を生きる』(清流出版)から取った文字だ。
オヤジさんは、この本を応援してくれていて、レジのところにもこの本が飾られている。
とても遊び心のある、遊行の心があるはからいだ。

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マスコミやネットで取り上げられたりして、読者からの反応もいい。

 

若い人から、「困難も遊び感覚で乗り越えようと思います」なんて手紙をいただいている。
もうすぐ増刷がかかるそうだ。
ぜひ、読んでみてください。

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2017年2月12日 (日)

応援歌

ギャラリー日比谷は、駅から歩いて2分ほどのところにある。
オーナーが毎年、無料で貸してくれ、展覧会を開かせてもらっている。
今回は、「イラク・シリアの子どもたちへのバレンタイン展」(2/15まで)。

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イラクの白血病の子どもたちや、シリアから難民としてイラクに逃げてきた子どもたち、
シリアの画家の絵や写真などを展示している。
イラクに行くたびに、福島の郷土玩具・赤べこを子どもたちにプレゼントしているが、
外側の赤を、サッカーのユニフォームに塗り替え、「サカべこ」なるものも誕生した。
それも展覧会では展示している。

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2/10のオープンの日には、なんと歌手の山崎ハコさんが来てくださった。
3曲、演奏。
彼女の17歳のときの作品「飛・び・ま・す」は、当時よく聞いていた。
迫力のある歌だ。
そのときぼくは26歳で、八ヶ岳山麓で健康づくり運動をしたりして飛び回っていた。
人生の応援歌でもあるる
会場にいた人のなかにも、山崎ハコさんの歌を泣きながら聞いている人たちもいた。
若干だが、チョコ募金のチョコも残っている(ここでしか買えません)。
ぜひ、ギャラリー日比谷へ、足をお運びください。

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2017年2月11日 (土)

人生は遊び

『遊行を生きる』(清流出版)が、東京スポーツや月刊Hanadaで取り上げられた。
WEBRONZA(ウェブロンザ)では、イラク難民キャンプのことが紹介されている。
ありがたいことだ。

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先日は、文化放送の「大竹まことゴールデンラジオ」で、『遊行を生きる』について話した。
今度は、本日2/11、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版」(午後3時から)に久しぶりに出演する。
「遊行」の鎌田流の解釈は、「人生は遊び」だ。
ぜひ、聞いてください。

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2017年2月10日 (金)

臨時便の船長(下)

東日本大震災の混乱のなかで、大島へ渡る船便を出していた菅原さんと、被災地に救援に入ったぼくは偶然、出会った。
それから5年8か月。
午後8時ごろ気仙沼の港に行き、「鎌田です」と声をかけた。
すると、今も臨時便を出している菅原さんが声をあげた。
「うれしいなあ」
おじさん二人でハグをして、再会を喜んだ。
後で聞くと、菅原さんはこのとき泣きそうになったという。

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菅原さんの家まで行った。
震災のとき、菅原さんの家は全壊した。
多くを失ったが、命と船は助かった。
だから、いま生きている人を何とか助けたいと思って、当時、すぐに大島への臨時便を出すことにしたのだという。

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全壊した家の材木や、釘、金具、雨どいなど愛着があり、どれも捨てたくはなかった。
潮をかぶっているので、木材は潮だしし、曲がった釘はまっすぐに伸ばした。
その手間暇に1年半かけ、
さらに、それらの材料を活かして新しい家を建てるのに1年半かけた。
すごい男だ。
菅原さんの復興度は、と聞くと、
「100%」と即座に返ってきた。
一生懸命、毎日を生きているという。

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2017年2月 9日 (木)

臨時便の船長(上)

気仙沼から大島へ夜間などの臨時船「ひまわり号」を出している菅原さん。
3.11の東日本大震災のとき、船を守るため、沖へと船を出した。
急激な波のアップダウンを6回ほど繰り返し、波に対して斜めに船を操ってのりきった。
4メートルほどの津波にさらわれるか、と思ったとき、意識がなくなったという。
引き潮のがれきに飲み込まれたら、もう脱出できない、という恐怖にとらわれながら、
一晩、沖に漂っていた。

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戻ってくると、大島のほとんどの船が大破していた。
大型のフェリーが陸に打ち上げられた光景はなんともつらかった。
船が壊滅的な被害を受けたので、一時期、気仙沼-大島間の便が出せず、大島は孤立した。
なんとか生きている人を助けたい、と数日後から菅原さんは船を出すことにした。
100~300円の船賃、お金がない人からはとらない。

それから約2か月後の5月7日、ぼくは大島に行くために、菅原さんのひまわり号に乗った。

「鎌田先生じゃないか」
菅原さんに声をかけられた。
面識はないが、ぼくの書いたものが載った新聞など、切り抜きをしてとっておいてくれたという。
「よく来てくれた」という菅原さんと、握手を交わした。

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2017年2月 8日 (水)

鎌田写真館~3ショット

さだまさしさんが諏訪に住んでいるときは、原田泰治さんとぼくとこんなふうに3人で会うこともよくあった。
この写真は、内田英雄さんという、かつて諏訪中央病院看護専門学校で勉強したこともあるカメラマンが撮った。
内田さんは毎年、JCFに応援してくれている。
いい写真だ。

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原田泰治さんが、原田泰治美術館の館長でもあるさだまさしさんとイベントをしたときのもの。
懐かしい。

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2017年2月 7日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(238)

「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」
世界的チェリストのヨーヨー・マに密着したドキュメンタリー。
音楽に対してどんなことを考えているかが分かった。
イラクのザータリキャンプに「密輸だ」と冗談を言い、フルートをたくさんもっていく。
そして、シリアからの難民の子どもたちに音楽を教える。
「新しいものは文化が交差する場所で生まれる」
その場所で、優れた音楽家を見つけ出し、アンサンブルをつくっていく。

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ザータリキャンプでは、ぼくたちは義足や義手を創ってリハビリを支援している。
ピーク時には10万人を超す巨大な難民キャンプだ。
イランの音楽家は、イラン革命のなかで音楽を続けることが難しくなる。
ヨーヨー・マは絶望のなかで生きざるを得ない人たちとつながりながら、新しい音楽をつくっていく。
思っていた以上に骨太の映画だった。

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2017年2月 6日 (月)

がんばらないトークショー 追加開催決定

【JIM-NETイベント 】

2月10日(金) 『鎌田實の「がんばらない」トーク』

追加で第二部 開催決定!

第一部 14時~15時 満員御礼

第二部 15時半~16時半 急きょ 追加開催決定!

定員50名・要予約 お早めに・・・

予約電話:03-6228-0746/080-5544-5937

申込フォーム

【イベントに関するお問い合わせ】

特定非営利活動法人日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)  
TEL:03-6228-0746 e-mail:info-jim@jim-net.net

詳細はJIM-NETのHPへ

イラク・シリアの子どもたちへのバレンタイン展 
~物語のあるチョコレート ヨーロッパ編~

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会期:2017年2月10日(金)~15日(水) 11時から19時まで(最終日は17時まで)

会場:ギャラリー日比谷 http://www.g-hibiya.com/
    〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-6-5 
            TEL:03-3591-8948(会場直通) ※会期中のみ 

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鎌田劇場へようこそ!(237)

「ボヤージュ・オブ・タイム」
製作は、ブラット・ピット。
語りはケイト・ブランシェット。
監督はテレンス・マリック。
大学で哲学を学んだマリックは、大学で哲学を教える傍ら、ジャーナリストとして活躍。
その後、映画の世界に転身し、カンヌ最高賞を受賞した「ツリー・オブ・ライフ」などを撮っている。

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圧倒的な映像美。
宇宙のはじまりと、生命の誕生。
人間という不思議な生きもの。
臓器とそれをつなぐ血管。
なぜこの地球に命が生まれたのか、そんなことを考えさせてくれる映画だ。
映像という詩を体験しているような感覚がする。
見たことのない映像と信じられないくらい美しい映像の間に、自分流の言葉を埋め合わせてしまう。
宇宙、命、はじまり、おわり、そして再生。
ぼくたちの体に仕掛けられている137億年の歴史をたどる旅だ。

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2017年2月 5日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(236)

「マン・ダウン 戦士の約束」
監督は作家でミュージシャンというディート・モンディエール。
質の高い反戦映画だ。
愛する妻と子を守るためにアフガニスタンの戦場に行った兵士。
帰還したが、妻も子もいない。
探し回る。

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復員兵の5人の1人がPTSDになり、20万人が路上生活をしている。
一日に22人が自殺を図っているという。
主役は「トランスフォーマー」のシャイア・ラブーフ。鬼気迫る熱演だ。
マン・ダウンとは戦士が傷つくという意味だが、
息子との約束で、「アイ・ラブ・ユー」という意味で使っていた。
最後に、大きなどんでん返しが待っている。

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2017年2月 4日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(325)

「家族の肖像」
圧倒的にすごい。
美を追い求めるヴィスコンティの晩年の傑作。
生誕110年没後40年を記念して、デジタル完全修復版ができた。
スイスで65歳ごろ、病に倒れたヴィスコンティ。
同じ病院に、文豪トーマス・マンが入院していた。
トーマス・マンの「ベニスに死す」を映画にしている。
グスタフ・マーラーを流しながら、これぞ映画という映画をつくった。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「異邦人」「ルートヴィヒ」など数々の名作を残した。
そのなかでも「家族の肖像」はすばらしい。

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家族の肖像の絵に見とれ、世の中から離れて静かに生活している男。
そこへ、騒がしい連中が乗り込んでくる。
しかし、やがて、まったく趣味の違う人たちに家族のようにシンパサイズしていく。
人間の心の不思議さが見事に描かれている。
バード・ランカスターがすごい。
クラウディア・カルディナーレがちょっとだけ出てくるが、その美しさはただものではない。
ヴィスコンティ大好き。

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2017年2月 3日 (金)

鎌田劇場へようこそ!(324)

「フレンチ・ラン」
フランスでとんでもない事件が次々と起こる。
CIAのアウトローと天才スリ師の相棒が、息もつかせぬ活躍をする。
「相棒」の10倍は面白い。
エンターテインメントとしては007より面白いように思う。

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2017年2月 2日 (木)

地域包括ケアシステムとは何か77

岡谷にある「ぐらんまんまカフェ」に行ってきた。
諏訪中央病院のぼくの「指導医」の奥先生と豊平の福祉施設の責任者山田君、なごみの家のリーダーの原君と一緒に、
訪ねると、認知症の人たちがあたたかく迎えてくれた。
楽しくて明るい雰囲気。
仕事はプロ級によくやれている。
男性は帽子をかぶって、ネクタイをし、女性もエレガントな作業着だ。
こんなのを着ているだけでうれしくなる。

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このカフェは週一回、オープン。
認知症カフェを開くこともある。
料理を作っているのは、カフェの裏にある小規模多機能のデイサービスに来ている人たち。
認知症の人もアルコール依存症の人もいる。
人の役に立っているということで、人は元気になる。
この日のランチメニューは、ソースカツどん。
これがまた、非常においしかった。

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このグループは、「和が家」という宅老所をスタートに8つの事業を展開。
小規模多機能は、デイサービスを中心にしながら、お泊りもできる。
利用者が集まると、今日は何を食べようかという話になり、みんなで作ったりする。
ごはんのことを中心に考えている。
以前、岡山にある「きのこエスポアール病院」の「きのこグループ」を見学に行ったことがある。
ここでは、認知症の人たちがグループになり、家族みたいにごはんの相談をし、買い物にいったり、つくったりしていた。
その姿に感動したが、それと同じような光景があった。
利用者が、自分の生活の主人公になっているのだ。
「和が家」では、この日、おでんと、白和えをつくろうということになった。

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このグループは、このほか、ワインが飲める居酒屋をしていたり、とにかく発想が柔らかくておもしろい。
地域包括ケアはなんでもありというのが、ここへ来てよくわかった。

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2017年2月 1日 (水)

地域包括ケアシステムとは何か76

池袋にある要町あさやけ子ども食堂は、子どもたちと親、ボランティアの高齢者がやってくる。
大人300円、子ども100円で、どんな人も参加できる。
子ども食堂は子どもの貧困を食で支えようという活動だが、
ここに来る人たちは、それだけではないようだ。
孤立しがちな社会なかで、さびしさを感じている人も多い。

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170118img_6103 あさやけベーカリーを主宰する山田さんと

子ども食堂は、夕方から始まる。
そして、8時をすぎると、大人食堂となり、お酒を飲みだす人もいる。
人間と人間の関係を豊かにつくっている。
とてもいい雰囲気だった。
同じ場所では、池袋あさやけベーカリーが、元ホームレスの人たちとともにパンを焼き、いまホームレス状態にある人たちに配っている。
子ども食堂の手伝いもしている。

170118img_6104 あさやけベーカリーのコロッケパン

地域包括ケアは、すべての世代が元気よく、いろんな人がつながることができるネットワークである。

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