被災時の介護を守る
日本テレビ「ニュースエブリ」の取材で、気仙沼にある特別養護老人ホーム「春圃苑」に行ってきた。
ここは東日本大震災後、被災した要介護の高齢者を受け入れた。
ぼくは2011年5月7日に訪ねている。
定員は60人だが、120数人にもなり、廊下もリハビリ室もベッドであふれかえった。
全国からPTやOTが集まり、応援してくれた。
スタッフ自身も被災していたが、何日も家に帰らず、介護を必要とする人たちの命を必死に守った。
家を流され、家族を亡くした介護士ともお会いした。
あれから6年近くたち、必死に生きてきたがこれでいいのかと思うこともあるという。
まだ家族のご遺体が見つからないスタッフもいた。
施設長の阿部さんは、施設の責任者としては、行き場のない人に頼ってこられれば受けるのが当たり前と引き受けたが、
本当によかったのか自問自答していたという。
そんなときにぼくが施設を訪ね、感染症対策などを評価したことで、心の重荷が軽くなったという。
その後、毎日新聞の「さあこれからだ」で、ぼくが春圃苑のがんばりを紹介したことも、
職員や役員も自分たちのグループの運営に間違いがなかったと自身を深める確かな契機になったという。
もうすぐ6年目の3月11日がやってくる。
ここの職場は働きやすいのか、スタッフみんなが目標をもって働いているという。
訪問介護をしているグループが手がまわらなくなったときは、ほかの施設の介護士がピンチヒッターに立つ。
利用者のニーズにこたえようという姿勢が全体にいきわたっている。
ニュースエブリの番組では、大船渡の特養「ひまわり」も訪ねた。
この様子は、こちらから見ることができます。
ぜひ、ご覧ください。
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