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2017年3月

2017年3月31日 (金)

ほんの少し他人のことを

中学校の道徳資料集「わたしの築くみちしるべ」(信州教育出版社)に、
ぼくの「がんばらない」のやまねのばあの話が載っている。
やまねのぱあは、いつも人を大事にしてきた。
亡くなる間際も往診に行ったぼくに心配りをしている。
人に親切にしていると、つらい状況のときでも、まわりの人を笑わせたり、ほろりとさせたりする。
教科書は、自分のことばかり考えずに、まわりの人のことを考える大切さを、この話から読み取ってもらいたいようだ。
1年生の国語の教科書には「雪とパイナップル」が載っている。
ベラルーシの白血病の子どものために、雪の中、日本人の看護師がパイナップルを探すお話だ。
どちらも、だれかのために生きることの大切さを語ったつもりだ。

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2017年3月30日 (木)

JBPress 連載

Jbpress

JB PRESS「鎌田實のヌーベルバーグ(新しい波)」

2月に始まった連載は、今回で第6回。
鎌田とその仲間たちが、新しい波を起こしていきます。

「健康診断を受けても健康にはなれない」

世界の最新研究で明らかになった事実、幸福感で年収300万円の差も
行動変容」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
不健康で早死だった地域を、日本一の長寿県にした。
地方で生きていく人たちの「行動変容」を起こしたのだ。
今回は、ビジネスの世界で働く人たちの、健康になるための、生活習慣を少し変える、「行動変容」を起こすきっかけ、新しい波について考えてみる。
・「データをきっかけに」生き方を変える
・「楽観的に生きる」と心臓病が減る
・「楽しい記憶」はうつ病を減らす
など、ためになる 面白い事実が盛りだくさんです。
ぜひお読みください。

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2017年3月29日 (水)

聴診器でテロと闘う(75)

モスルの奪還作戦が進んでいる。
チグリス川の東側はおおむねISを追い出し、イラク政府軍の支配下に入った。
東側にある小児がんのセンター病院・イブンアシール病院は、ようやくISから解放された。
しかし、ISが逃げるときに火を放っていき、診療ができる状態ではない。

1 放火されたイブンアシール病院

Img_9063 カンファランスには、イブンアシール病院で治療を受けていた子どもたちが、花束を持ってきてくれた

アルビルでのJIM-NETカンファランスで、イブンアシール病院のモハメッド・アリ医師らから、必死に小児がんの子どもたちの治療に当たってきた現状を聞き、JIM-NETは、イブンアシール病院に緊急支援をはじめた。
先日は、現地スタッフが、新院長とともに病院に薬を届けることができた。
たくさんの浄財も集まりだした。
今のところ170万円。
ありがたいことだ。
しかし、まだ薬が足りない。
戦乱状態のなかで、小児がんと闘う子どもたちのために、まだまだ薬を送りたいと思う。
応援をよろしくお願いいたします。

郵便振替口座00540-2-94945 口座名 日本イラク医療ネット
「イラク小児がん支援」

詳しくはこちら↓

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2017年3月28日 (火)

鎌田實の一日一冊(307)

「さすらいの皇帝ペンギン」(高橋三千綱著、集英社)
3/24発売。
コドクと孤独の物語。感動長編だ。
小説家、楠三十郎は、チリである少女から皇帝ペンギンのひなを預かる。
南極に返してほしいということだった。
とんでもなくたいへんな旅を、とんでもなくフットワークのいい筆致で、
芥川賞作家三千綱さんらしい文体で、あっとう間に読ませていく。

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主人公の小説家はおそらく著者自身ではないかと思われる。
ならば、重い糖尿病と肝硬変があって、胃がんもあって、ぎりぎりを生きている。
本人が主人公になりすましながら、「生き抜けよ、お前は生きているだけで価値があるんだ」
と、皇帝ペンギンに言うのは、自分自身に向けた言葉のように思えてならなかった。
すてきな小説。

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2017年3月27日 (月)

分身ロボットの可能性

分身ロボット「OriHime」を体験した。
頚髄損傷で四肢が動かない番田さんの分身となったオリヒメは、
ふしぎな味わいを醸し出す。
開発者の吉藤健太朗さんとぼくが話していると、番田さんのオリヒメがこっくりとうなづく。
ぼくたちの話に、納得しているようだ。
合いの手ではなく、うなづくというのは、こちらも話しやすい。
なるほど、というときにはボンと右手が上がる。
万歳することもある。
番田さんは話すことができるので、オリヒメを通して詳しく自分の意見を言うこともできる。
その場にいないのに、3人で話しているような気持ちになる。

170216img_6229 分身ロボットOriHimeと開発した吉藤健太朗さん

オリヒメは、当初、手がなかったが、番田さんの意見で手をつくった。
当事者がロボットの開発に加わっているのがいい。
いろんな理由でその場に行けない人が、会社の会議に参加したり、授業を受けたりすることができる。
実際に、オリヒメは障害者のクラスで使われている。
手をあげて意見を言うこともできるのだ。
寝たきりの高齢者が、孫の結婚式に出ることもできる。
AIが発達し、孤独の解消にオリヒメがいいというのは、吉藤さんの考え方だ。
事業所には月5万円で貸し出している。
個人でも、半日や一日のレンタルがある。
ALSの全国大会に、何台ののオリヒメが、本人の代行で参加した。
議決するときには、本人がその場にいるように、自分の意思を表現した。
分身ロボットが、こんなふうに人間の自由な行動、表現を後押ししている。
この様子は、次号の「おはよう21」(中央法規出版)に掲載される。
ぜひ、ご覧ください。

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2017年3月26日 (日)

「検査なんか嫌いだ」好評

検査嫌いの人は多い。
最小限の検査とは何かということに興味をもって買ってくれた人もいる。
今まで検査から逃げて来たが、それでいいのかと、この本で確認したいと思った人もいるようだ。
もちろん、検査でがんなどの病気が見つかることもある。
だから、ドックを受けたい人は受けたらいい。
でも、人間ドックを受けて、すべて正常な人は6%しかないという現実をみると、みんな病気にさせられてしまいそうだ。
ただ、異常値を見つけるだけでは意味がない。
大事なことは、健康増進の意識である。

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楽観的な人は、ストレスホルモンのコルチゾールの値が低く、ストレスを感じにくいということがわかっている。
笑うだけで副交感神経が刺激され、血管が拡張して血圧が下がる。
笑うこと、塩分を減らすこと、適度な運動を心がけること。
生活習慣をどう変えることができるかということが大事で、検査をしたことだけでは意味はないのだ。

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2017年3月25日 (土)

アルビル報告

人命守る「最後の砦」 戦闘からどう守る?
日本テレビのニュースエブリで、ぼくがイラクのアルビルを訪ねたときの報告を放送した。
ISが占領するモスルから逃げて来たドクターたちから聞き取った話や、
薬が不足しているモスルのイブンアシール病院に緊急支援し、JIM-NETの現地スタッフが薬を届けて来たことなどを伝えた。
そんな話が、ヤフーニュースにも取り上げられた。
見逃した方はぜひ、ご覧ください。

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2017年3月24日 (金)

読者から

『遊行を生きる』(清流出版)を読んだ方から手紙がきた。
「「自分の周りに目を配って、見えない世界の向こう側に心の目で愛の海を探すことが大事」という言葉が背中を押して下さっています。
次の世代へと言葉の贈り物をしてくださることに感謝し、ありがたく受け止め、自分のなかで消化していきたいと思っています」

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9歳の息子さんが夏休みの宿題でかいたという詩を同封してくれた。
「ぼくの希望の世界
戦争は人も動物も自然もいっしゅんでなくしてしまう
それが悲しい
どの命も大切なのに、大切にあつかわれていない
それは人間が自分たちのことしか考えていないからだろう」

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2017年3月23日 (木)

納豆で、脳卒中の死亡リスク減

岐阜県高山市の3万人の食習慣や健康状態を調べて、納豆の影響を調査した。
納豆をよく食べている人はそうでない人に比べて、
脳卒中の死亡率が32%少なくなっていた。
おそらく納豆に含まれる酵素ナットウキナーゼに、血液をさらさらにする作用があり、
脳卒中を減らしていると推測される。
血管が詰まる病気、心筋梗塞も若干、死亡リスクが下がる傾向が見られた。
納豆だけでなく、大豆食品もおおむね脳卒中を減らしていることがわかった。
この理由ははっきりしない。
糖質は血糖値を上げ、血管の慢性炎症を起こしやすくする。
大豆はタンパク質と繊維が含まれていて、血糖値を上げにくいので、
動脈閉そくを起こすような動脈の慢性炎症を起こしにくいのかもしれない。
とりあえず、納豆を週に2回くらい食べる目標をもってみたらどうだろう。
ぼくが地域包括ケアづくりのために、毎月通いだしている北海道の本別町には、
やまぐち発酵食品という納豆のメーカーがある。
手造り、手詰めにごわっており、6品くらいがあるが、どれもこれもおいしい。
本別のふるさと納税の返礼品にもなっている。
本別町は、認知症の人が自由に町のなかを散歩できる町づくりをしている。
おいしい納豆で自分の健康を守りながら、いい町づくりをしている地域を応援してみるのも方法だ。

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2017年3月22日 (水)

カマタの怒り(35)

トランプ大統領は、オバマケアを廃止するという。
廃止すると、2026年までに無保険者が240万人増えるという。
現状と合わせると、無保険者は520万人に上る。
オバマケアに問題があったことは事実だ。
日本の国民皆保険制度を真似したが、公的ではなく、民間の保険を使ったためコストがかかり、もうけているのは保険会社か製薬会社とよくいわれている。
オバマケアによって、たしかに無保険者は減ったが、国民も事業者側も負担が増えたと思われている。
それにしても、政権が変わるたびに、保険制度がガラリと変わるというのはとんでもない国だ。
共和党も民主党も、きちんと議会で議論して、大きく振れないようにすることが成熟した民主主義のあり方だと思う。
しかし、トランプさんに「成熟した民主主義」なんてないのだろう。
とにかく、オバマさんの作ったものは壊したいというだけだ。
オバマケアは大したものではないので、壊してもいいのかもしれないが、
トランプさんがもっとすぐれた医療保険制度をつくるとは思えない。
結局、お金持ちだけがいい医療を受けられるようになっていくのだろう。
そのことに、トランプを支持している白人低所得者層は気づいているのだろうか。

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2017年3月21日 (火)

カマタの怒り(34)

トランプ政権の環境保護局長官にプルイット氏が就任した。
この人はもともと化石燃料企業から多額の政治献金を受けている人。
徹底して、パリ協定に強く反対している人だ。
トランプとプルイットは、オバマが仕掛けた火力発電所の排出規制をおそらく破棄するだろう。
世界第二位の温室効果ガス排出国のアメリカが、世界を後ろ向きにさせようとしている。
とんでもない人がアメリカのトップになった。
トランプは小さな村の村長だと思ったが、それは「小さな村の村長」に失礼だと気付いた。
小さな村の村長さんには、もっと哲学をもち、すばらしい政治をしている人がいる。
トランプはもうちょっと本を読んだりして、勉強したほうがいいと思う。

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2017年3月20日 (月)

カマタの怒り(33)

メルトダウンした福島第一原発2号機の圧力容器の真下に調査ロボットが入った。
が、毎時210シーベルトを計測し、2メートルほど進んだところで機械がダウンしてしまった。
毎時210シーベルトというのはとんでもない数字だ。
ロボットは圧力容器の下まで到達できかったが、真下のところでは毎時650シーベルトというとんでもない放射線がでている可能性もある。
ロボットも壊れたが、人間なら1分も生きていられない。
チェルノブイリ原発の石棺も、その石棺を覆うドームも何度も見にいった。
許可を得て、敷地内にも入らせてもらったが、30年経ってもいまだに燃料棒の取り出しはできていない。
おそらく永久にできない可能性のほうが高い。
だから、ドームで覆うという選択をしたのだ。
そんな失敗をしているのに、まだ原発をつくろうとしている。
自分の後始末もできず、事故のことをを入れてしまうのはよくないことだと思う。
日本のエネルギー政策を考え直すべきだ。

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2017年3月19日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(242)

「ライオン」
アカデミー賞の候補にもなっている。
5歳の男の子が列車で迷子になり、インドを横断してしまう。
施設に保護され、やがてオーストラリアの夫婦にもらわれていく。
それから25年、彼は養父母から大切に育てられている。
が、インドで本当の母やや兄が自分を探し続けていると思い、悩む。
自分は何者なのか。
主役のデブ・バデルがかっこいい。
母親役のニコール・キッドマンは美しい。

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これは、インドで迷子になった少年が25年後、グーグルアースで故郷を探しだしたという実話。
自分の故郷の名前も間違って覚えていた。
自分の名前すら間違っていた。
5歳の記憶ってそんなふうに不確かなものなのだ。
ぼくは1歳10か月くらいのときに養子に出されたらしいが、何も覚えていない。
「ライオン」というタイトルがなぜついたのか、最後にわかる。
とてもいい映画だ。

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2017年3月18日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(241)

「真白の恋」
なかなか見る気になれなかったが、
見たらめちゃくちゃ面白かった。
主人公を演じた佐藤みゆきがいい味を出している。
軽度の知的障害の真白が東京から来たカメラマンを好きになる。

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富山の美しい光景が、この映画を支えている。
立山の風景は圧巻である。
カメラマンを演じる福地祐介も、とてもいい味を出している。
ぼくが台本を書いていれば、映画とは逆のエンディングにしただろうと思いながら、
とにかく、じーんと胸が熱くなった。
見る価値のある映画だと思う。

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2017年3月17日 (金)

中東の平和がまた・・・

パレスチナの若い女性の起業家がシンポジウムのため来日した。
国連のパレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の医療責任者、清田先生に声をかけてもらい、ぼくも歓迎パーティに出た。
ミャンマーやルワンダで起業をした女性たちも一緒だった。
彼女たちはとてもパワフルだ。

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トランプ米大統領と、イスラエルのネタニアフ首相が電話会談をした直後から、イスラエルは、パレスチナ人が住んでいるヨルダン川西岸の地域に、
2500軒の住宅建設を承認した。
キリスト教とイスラム教、ユダヤ教の三大宗教の聖地になっているエルサレムにも、
トランプ大統領の後ろ盾で、イスラエルは入植活動を激しく展開している。

Img_4224 パレスチナとイスラエルを分断する壁

これでまた中東の平和が遠くなっていくようで、心配である。

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2017年3月16日 (木)

手作り作品で福島支援

神奈川県の作家5人が今年1月、熱海で「東日本震災復興支援手作り展」を開いた。
この会は、13年に熱海市民と作家が実行委員会をつくり、それ以来、毎年開催している。

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古布小物、陶器、衣類、バッグなど趣向を凝らした作品を販売し、「福島で放射能被害に苦しむ人たちのために」と、JCFに寄付をいただいている。
ぼくたちは、こうしたご厚意に支えられて、支援を続けている。
感謝。

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2017年3月15日 (水)

聴診器でテロと闘う(74)

アルビルにJIM-NETの新しいチャイルドサポートハウスができた。
イラクのふつうの住宅のようになっており、中もできるだけ、くつろげるような空間になっている。
イギリスにマギーズ・キャンサー・ケアリング・センターというのがある。
がんになり、余命数カ月といわれた造園家のマギーさんが、がん患者が気軽に立ち寄り、相談することができる場所として立ち上げた。
東京の豊洲にも、秋山正子さんらが「マギーズ東京」をつくった。
木をふんだんに使い、大きな窓から風景を眺めることがてきる空間は、その場に居るだけでも癒される。

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ぼくたちのチャイルドサポートハウスも、そんな空間に近い。
イラクで初めての、小児がんの相談支援の場所である。
そこに訪ねて来たのは、モスル近郊から逃げて来たという父親と子ども。
子どもはすぐにナナカリ病院で治療が始まる。
ナナカリ病院では抗がん剤のビンクリスチンがないということで、薬局で買ってくるように言われた。
イラクの医療費は無料だが、病院に薬がない場合、家族が薬局で買ってこないといけない。
父親には、そのお金がない。
ぼくたちは父親に付き添って、その薬を買いに行った。

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病院の近くにも、新しくJIM-NETハウスをつくった。
宿泊施設で、2部屋ある。
部屋にはサブリーンの絵が飾られている。
母親は子どもの病室に付き添うことができるが、父親は廊下などで寝ることが多い。
この父親は、この宿泊施設を利用できるということで、安心したようだ。

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これらは、日本の外務省の補助ももらって始めたことであるが、
カンファランスでイラクのドクターたちに「さすが、日本はすごい」と評価された。

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2017年3月14日 (火)

お知らせ

JBPressで連載を始めた「鎌田實のヌーベルバーグ」。
第四回の配信は、
「障がい者に圧倒的給与を実現、北海道芽室町」。
地域包括ケア研究所の石塚裕介さんがレポートしています。
とても好評で、これまでで最高のアクセス数。
第三回は、JIM-NET事務局長の佐藤真紀さんが
「若いクルド人女性難民が見たシリアの現実」と題して、書いています。
こちらも反響を呼んでいます。
ぜひ、お読みください。

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2017年3月13日 (月)

本別町地域包括ケアキックオフイベント

帯広市から1時間ほどのところに本別町がある。
十勝地方の農場や牧場が広がる景色のいい町だ。
その町で、地域包括ケア研究所は、4月から地域包括ケアを展開しはじめる。

前夜祭として、3日間、地域包括ケアまつりのようなものを開催する。
住民を対象にした健康や在宅ケアの勉強会のほか、
旭川医科大学の学生とともに、症状から病名を推測するNHKの番組「ドクターG」のような「スーパー総合医」などのイベントを行う。
もちろん鎌田も、3日間、すべてに顔を出す予定。
夜も泊まり込みで、健康、命、ケア、子ども、認知症・・・いろんなことを学びあいながら、あたたかい地域をつくるにはどうしたらいいか考える。
十勝地方で、がんばっている先生たちも参加してくださる。
住民からも、行政や医師、専門職の人たちからも、続々と参加の申し込みがあるようだ。
いよいよ地域包括ケアづくりがはじまる。
地域を再生し、地域を明るく元気にする地域包括ケア。
ぜひ、注目してほしい。

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本別町地域包括ケア キックオフイベント
3月24日(金)講演会・懇親
  「日本で一番安心できる医療や介護が行われるまちをつくるために」
   講師 諏訪中央病院名誉院長 鎌田實
      同 院長補佐 山中克郎医師 ほか
3月25日(土)講演会
  「魅力的な人材が集まる病院をどうつくるか--総合診療医の役割」
   講師 諏訪中央病院院長補佐 山中克郎医師
      同 診療指導医 奥知久医師
3月26日(日)研修会
   「魅力的なまちづくりを考えよう」
    講師 鎌田實 山中医師、石塚裕介氏(地域包括ケア研究所)

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2017年3月12日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(240)

「君の名は。」
イラクへ向かう飛行機のなかで、ついにこの映画を見た。
なるど興行収益240億、小説はミリオンセラーになるはずだ。
映画も世界中に広がっている。その理由がわかった。

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同時に、「お父さんと伊藤さん」という作品を見た。
リリー・フランキーと藤竜也の、ほのぼのとした家族を考えさせる作品は深い出来であった。

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このごろ、日本映画は元気。

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2017年3月11日 (土)

高校生が選んだ読書大賞

上伊那の高校生が選ぶ読書大賞2016のテーマは「戦後」。
大賞に、鎌田實の「アハメドくんのいのちのリレー」(集英社)が選ばれた。
「アハメドくんのいのちのリレー」は、大学入試の問題や予備校の国語の問題になったりしている。

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対抗馬は、「母と暮らせば」(山田洋次著)、「海賊とよばれた男」(百田尚樹著)、「東京プリズン」(赤坂真理著)、「朗読者」(ベルンハルト・シュリンク著)。
「東京プリズン」も「朗読者」も素敵な本だ。
そのなかで、高校生たちは鎌田の本をこんなふうに読んでくれた。
「人間の心には獣がいる。あたたかな心もいじわるな心もある。そんな人間に生まれた誇りと喜びを教えてくれる」
「敵国の人にも臓器提供することがすごいと思った。そして、こんなふうに認識している自分も、差別していることに気づいた」
高校生がこんなすごいことに気づいている。
ある国の大統領に聞かせたいと思う。
「世界中でも今でも民族や宗教の問題があるけど、一日でも早く、アハメド君の願いでもある平和な世界が訪れてほしいと心から思いました」
すてきな若者がいることがわかり、とてもうれしくなった。

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2017年3月10日 (金)

お知らせ

明日3月11日、TBSラジオ「土曜朝イチエンタ。堀尾正明プラス」(午前6時~)に出演します。
東日本大震災からまる6年。
震災のこと、新刊「遊行を生きる」の生き方について話します。

Img_6278_2 堀尾正明さんと

午後1時半からは、日本テレビ「ニュースエブリ」特別番組に出演。
南三陸からお送りします。

ぜひ、ご視聴ください。

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2017年3月 9日 (木)

聴診器でテロと闘う(73)

JIM-NETカンファランスが始まった。
それぞれの病院の最近の治療成績についての報告があった。
小児白血病の寛解導入率は90~95%と、先進国並みのレベルに到達しだしている。
しかし、5年生存率になると65%くらい。
病院によっては50%と低迷する。
これは、子どもたちが途中で治療を続けられなくなるためだ。
病院まで遠くて通えないという物理的な問題や、経済的理由などが背景にある。

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アルビルのナナカリ病院では、イラクのNGOから2人のソーシャルワーカーが派遣されるようになった。
ぼくたちJIM-NETは、バスラの小児病院でイブラヒム先生に活動してもらっている。
病院に来なくなった子どもを迎えに行ったり、交通費をだしたり、生活支援をしたり、
遅れている勉強を病院で教えたり・・・。
ソーシャルワーカーの仕事もふくむ多様な取り組みをしてきた。
こうした活動の大切さが認識されだしたのではないか。
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ナナカリ病院は、モスルに近いため、モスルからの患者であふれかえっている。
どこも抗がん剤が足りない。
病院にない抗がん剤は、処方箋を書いて、家族が薬局に買い求めなければならない。
貧困のなかで生活している人には、そんなお金はない。
村で生活しているぶんには何とか食べていけるが、お金を持つような生活をしていないので、子どもの薬を買うのがとても難しいのだ。
これからも、そんな理由で治療を中断せざるを得ない例が増えていくだろう。

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バクダッドの病院のドクターからは、看護師の教育をシステマティックに行いだしたという報告があった。
全般的には、自分たちが土俵際で子どもたちの命を守るんだという思いが感じられた。
夜はみんなでホテルで会食。お酒なしで、盛り上がった。
15年の活動で、ひとつのチームになってきている。

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2017年3月 8日 (水)

聴診器でテロと闘う(72)

モスルの中心街に住んでいた60歳くらいの男性が4日前に、
左不全まひが起き、完全麻痺になった。
アルビルの病院まで運ばてCTをとったところ、脳梗塞の診断がくだされた。
大きな梗塞があった。
血液を少しさらさらさせる作用があるアスピリンだけ渡され、
あとはリハビリだといって帰された。
ハーゼルの難民キャンプはモスルとアルビルの中間にある。
キャンプの診療所は、30人くらいの行列ができ、ごった返していた。
電気も来ていないので、懐中電灯で診察をしている状態である。
医師にお願いして、その患者を診てもらったが、
今のイラクではしょうがないという。
どこでも余裕がない。
この人が村の自宅に帰ってしまえば、寝たきりになってしまう。
水も食べ物もとれてないようで、肌が乾燥し脱水状態になっているようだ。
血液がどろどろになり、病気が進行しやすくなる。
奥さんが「何とかしてほしい」と泣き叫んでいる。
だが、何をすることもできず、2人は救急車に乗って村へ帰っていった。

Img_6358 イラクのドクターたちとJIM-NETカンファランス

ぼくたちが支援しているアルビルの外科系のロジャー病院は手術の患者であふれている。
がんのセンター病院であるナナカリ病院では40%もがんや白血病の患者が増え、入院のスペースも、薬もない状態が続いている。

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2017年3月 7日 (火)

がん死亡率

茨城県の癌学会で、記念講演をした。
水戸の手前にある偕楽園では「梅まつり」が始まっていた。
前日まで、北海道の十勝地方の芽室にしたので、気候の違いに体が驚く。
真冬のオーバーにマフラーを着込んでいたが、水戸には春が来ていた。
茨城の北側でも医師不足が深刻だと聞く。
筑波大学が応援しているようだが、それでも医師不足は解決しない。
日本中がそういう状況だ。

がん対策基本法が成立して10年。
がんの死亡率を20%減少させるという目標を掲げているが、現状では17%減にとどまっている。

まだ成果は十分とはいえない。
毎年98万人が新たにがんになっている。
今年は100万人を突破しそうだ。
年間37人万ががんで亡くなっている。
全体の死亡者の3.5人に一人ががんで亡くなっていることになる。
都道府県別の年齢調整をしたがん死亡率は、
長野県はダントツに低い。
野菜摂取率が高いことが原因しているのではないか、と話してきた。

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2017年3月 6日 (月)

ラビング

以前、このブログ「鎌田劇場へようこそ!」で紹介した映画「ラビング」。
鎌田のコメントとともに、ロードショー中。
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よろしければご覧ください。

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2017年3月 5日 (日)

聴診器でテロと闘う(71)

イラクへ通い始めて15年、厳しい状況が相変わらず続いています。

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脳梗塞を発症して4日目の人が、
入院する場所がなく
救急車で再び出てきた村へ戻っていきました。

左半身まひの老人でした。

もう一度ドクターを呼び、

「脱水を起こしているので
このままでは脳梗塞が悪化する。
1週間だけでも入院場所を探すべきでは」

と話しましたが、
埒があきませんでした。

イスラム国の砲弾を腹部に受け、
Img_6338_2腹部の出血を止める手術は成功しまいしたが
同時に脊髄にまで破片が飛んで、
脊損になってしまった10歳の少年。

どうすることもできないことはよくわかりますが、
ハーゼルの難民キャンプで、
車いすの少年とお母さんは途方に暮れていました。

とんでもない状況が続いています。

この地になんとか
希望の光をともしたいと思っています。

チャイルドケアハウスもできました。
貧乏な避難民の人たちは道端に寝たりしています。
その人たちが泊まる場所もつくりました。
少しずつですが、改善させようとしています。

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2017年3月 4日 (土)

聴診器でテロと闘う(70)

アルビル市内の古い一軒家を借り、JIM-NETサポートハウスができた。
遠方の危険な地域から脱出してきて、泊まるところや生活に困っている人たちの相談所である。
白血病の子どもの父親が、歳の離れた妹とともに訪ねてきた。
モスルから来た人だ。
若い父親の腕のなかには、急性リンパ性白血病の2歳半のメイサム君がいる。

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2か月半前、ぼくがアルビルに来たとき、この親子に会っていた。
モスルから逃げて来た人たちが、アルビルの貧しい農家の小さな部屋に15人で暮らしていた。
そのなかに、2人の白血病の子どもがいた。
いまここにいるメイサム君。
そして、タハ君5歳だ。
15人での生活が大変になり、ハーゼルキャンプに移るところで、タハ君の容態が悪化した。
キャンプに入る手続きが手こずるなか、すぐにナナカリ病院に移れなかった。
モスルでは、もう白血病の治療がまともにできないからと、親戚から頼まれたのに、
ナナカリ病院に連れていこうという経過のなかで、タハ君は急変が起きて亡くなったという。
「戦争がなかったら・・・」
若い父親は、肩を落とす。

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サポートハウスでは、ヤジディ教徒のアーデル君がソーシャルワーカーのような働きをはじめた。
日本から入った斉藤さんは料理が得意。
ヒヨコ豆のスープと、パンをチーズで煮たクルドの料理を食べながら、若い父親を慰めた。

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2017年3月 3日 (金)

聴診器でテロと闘う(69)

27日に日本を発ち、ドーハを経由して、イラクのアルビルに入った。
アルビルは、イラクで数少ない安全な地域ということで、人が押し寄せている。
夜は、新しいスタッフと、バグダッドとバスラからの現地スタッフが合流。
7人がごはんを食べた。
牛筋の煮込みみたいなもの、牛と鶏、魚の蒸し焼きをみんなでシェアして食べた。
7人分で2800円くらいだ。
その後も道端のカフェで、チャイを飲んだ。

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みんな、いいチームワークができていて、楽しい雰囲気だ。
丸一日かけ、まったく休みなしで、ダラシャクランのキャンプに行ったり、
JIM-NETのサポートハウスで相談に乗ったりした。
                ◇
東京からメールが入った。
3/4、読売新聞夕刊で『遊行を生きる』(清流出版)が取り上げられるようだ。
「大竹まことゴールデンラジオ」「大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版」
「生島ヒロシのおはよう定食」などでも紹介された。
新聞・雑誌などでも取り上げれ、いいスタートを切っている。
『検査なんか嫌いだ』(集英社)も順調な売れ行き。
まったく違う分野の本。
どちらも、よろしければお読みください。

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2017年3月 2日 (木)

芽室の少年

北海道の十勝地方の芽室町に行ってきた。
メムロとは、美しい、川が流れ豊かな大地というアイヌ語らしい。
その美しい川が、昨年8月、台風による大雨で氾濫した。

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講演をした後、ちょっとうれしい出会いがあった。
『雪とパイナップル』を持った小学6年生のハルキ君がやってきた。
サインをしてほしいという。
台風で川が氾濫したとき、お母さんはさらに被害が大きかった地域の人たちを助けるためになかなか帰ってこなった。
もう仕事をやめてほしいと思った。
でも、そのとき、お母さんから『雪とパイナップル』をもらったそうだ。
「命を救えなくても、一生懸命力を尽くすことは、だれかの心を救うことがあるということがわかりました。
ぼくも一生懸命がんばることに挑戦してみようとはじめて思いました」
少年の言葉を聞いて、ぼくはうれしくなった。
この地域では、中学三年の道徳の教科書にぼくの文章が載っている。
子どもたちに命の話をするのは大事なことだとあらためて思った。

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2017年3月 1日 (水)

2月27日、東京新聞に取り上げて頂きました。
(クリックすると拡大します↓)

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「鬼は内、福は外」
とても面白い発想です。

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