分身ロボットの可能性
分身ロボット「OriHime」を体験した。
頚髄損傷で四肢が動かない番田さんの分身となったオリヒメは、
ふしぎな味わいを醸し出す。
開発者の吉藤健太朗さんとぼくが話していると、番田さんのオリヒメがこっくりとうなづく。
ぼくたちの話に、納得しているようだ。
合いの手ではなく、うなづくというのは、こちらも話しやすい。
なるほど、というときにはボンと右手が上がる。
万歳することもある。
番田さんは話すことができるので、オリヒメを通して詳しく自分の意見を言うこともできる。
その場にいないのに、3人で話しているような気持ちになる。
オリヒメは、当初、手がなかったが、番田さんの意見で手をつくった。
当事者がロボットの開発に加わっているのがいい。
いろんな理由でその場に行けない人が、会社の会議に参加したり、授業を受けたりすることができる。
実際に、オリヒメは障害者のクラスで使われている。
手をあげて意見を言うこともできるのだ。
寝たきりの高齢者が、孫の結婚式に出ることもできる。
AIが発達し、孤独の解消にオリヒメがいいというのは、吉藤さんの考え方だ。
事業所には月5万円で貸し出している。
個人でも、半日や一日のレンタルがある。
ALSの全国大会に、何台ののオリヒメが、本人の代行で参加した。
議決するときには、本人がその場にいるように、自分の意思を表現した。
分身ロボットが、こんなふうに人間の自由な行動、表現を後押ししている。
この様子は、次号の「おはよう21」(中央法規出版)に掲載される。
ぜひ、ご覧ください。
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