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2017年3月 2日 (木)

芽室の少年

北海道の十勝地方の芽室町に行ってきた。
メムロとは、美しい、川が流れ豊かな大地というアイヌ語らしい。
その美しい川が、昨年8月、台風による大雨で氾濫した。

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講演をした後、ちょっとうれしい出会いがあった。
『雪とパイナップル』を持った小学6年生のハルキ君がやってきた。
サインをしてほしいという。
台風で川が氾濫したとき、お母さんはさらに被害が大きかった地域の人たちを助けるためになかなか帰ってこなった。
もう仕事をやめてほしいと思った。
でも、そのとき、お母さんから『雪とパイナップル』をもらったそうだ。
「命を救えなくても、一生懸命力を尽くすことは、だれかの心を救うことがあるということがわかりました。
ぼくも一生懸命がんばることに挑戦してみようとはじめて思いました」
少年の言葉を聞いて、ぼくはうれしくなった。
この地域では、中学三年の道徳の教科書にぼくの文章が載っている。
子どもたちに命の話をするのは大事なことだとあらためて思った。

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