鎌田劇場へようこそ!(333)
「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」
映画のタイトルとは思えない。
しゃれた映画だ。
突然の事故で、妻が死ぬ。
その妻が残したメモが「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」。
みんなが喪失している。
喪失の物語だ。
何をどうしていいのか、主人公のデイヴィスはわからない。
悲しいのか悲しくないのかもわからなくなっている。
義理の父親の仕事に就き、まわりの期待通りになっていく。
ある日、義父の言葉をきっかけに、冷蔵庫やコンピュータなど周りのものをばらばらにして、ものごとの仕組みや自分の心のありかを探し始めたデイヴィス。
そして、ものを壊しながら、本当の自分にたどり着いていく。
人生を受け入れようという美しい物語がここから始まりそうな予感がしながら、映画は終わる。
詩的な、素敵な映画だ。
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