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2017年4月 5日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(244)

「ムーンライト」
本年度アカデミー賞作品賞・脚色賞・助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門受賞。

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「ラ・ラ・ランド」を観て、あまりにもうまくできていたので、 きっとアカデミー賞はこの「ラ・ラ・ランド」で決定だろうと思っていた。

ところが、アカデミー賞の受賞式でとんでもないことが起きた。
作品賞の受賞が「ラ・ラ・ランド」と誤って発表されたのだ。

「ラ・ラ・ランド」のチームがステージ上に上がり、 受賞の喜びを語っている最中に、 実は「ムーンライト」の間違いだったとわかる。
どっきり番組のようなことが起こってしまった。

この「ムーンライト」がいいのだ。

「自分の道は自分で決めろ。他の奴に決めさせるな」

学校ではリトルと馬鹿にされている主人公シャロンに、麻薬ディーラーのフアンが言った言葉だ。

自分がなにものかを探し、そして自分を愛する事ができたとき、 初めて誰かを愛する事が出来る。
自分探しの映画だ。

高校生になった主人公シャロンは、 ある夜、月明かりが輝く浜辺で、親友のケヴィンと出会う。 その時のセリフがたまらない。

「風が吹いてくる。  
気持ちがいいから立ち止まる。
聞こえてくるのは心臓の音だけだ」

「泣きすぎて、自分が水滴になりそうだ」

弱い自分を必死に見つめようとしている主人公がいじらしい。

シャロンは弱い自分から脱却する。
再びケヴィンから連絡が来る。 シャロンはたくましい男になっていた。

「強くなったか」
「オレは、オレだ」

ケヴィンが告白する。
「やりたいことは何もせず、流されていた」

答えがあるわけではない。
若者たちが必死に生きようとしている姿が見えてくる。

キャストは全て黒人。
映画は、新しい武器を持った。
こんなスタイルがあるのだと気が付かされる、革命的な映画だ。

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