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2017年4月17日 (月)

鎌田劇場へようこそ!(246)

「息の跡」
とてもいい映画だ。
陸前高田の種屋さんの物語。
出てくるのは、ほとんど種屋の主、佐藤貞一さんだけ。
まるで哲学者。
一人でしゃべりまくるのだが、実はもう一人、見えない大事な主演がいる。
監督、小森はるかだ。
主演の佐藤貞一を助演している
ドキュメンタリーに助演女優賞なんてないが、助演女優賞をあげたくなるくらい、
小森はるかが佐藤貞一の一人芝居を見事に受けている。
佐藤は、悠々と1611年の津波の歴史を語り、英語で語りだしたり、好き放題。
津波に負けてないのがいい。
実に生活力がある。
壁をやぶる力もある。

Photo

いま「人間の値打ち」という本を書いているが、人間の値打ちの一つの目安は、
品位があるか、役割を担っているか、空気に負けない強い意思があるか。
そう、陸前高田はたくさんの人が亡くなった。
すべてが津波に流された。
絶望的な空気のなかで、彼は空気に負けていなかった。
ファンキーで、ユニーク、自由だ。
楽しむ力がいっぱいある。
生活力がある。
遊び心にあふれている。
決断力や持続力が十分あり、孤独をこわがっていないのがいい。
彼の心の内部に鬼が棲んでいる。
ここがいいのだ。
ヤワではない。
稼ぐ力もある。
どれも現代を生きるうえで大切なものだ。
ステキな映画をみた。
たくさんの人に見てもらいたいと思う。

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