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2017年4月27日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(341)

「八重子のハミング」 

元教師の夫婦。妻が認知症になっていく。
介護生活12年。 若年性アルツハイマー病。進行が速かった。

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ぼくは、ずっと地域包括ケアをやってきた。しかも映画が大好き。

認知症の方ともたくさん関わってきた。だから、こういう映画をできるだけ応援してあげたくなるのだが、実際は、ブログや映画評であまり取り上げてこなかった。

ぼくは自分の感性をゆさぶってくれるような映画が好き。こういう社会に呼びかけるような映画は、「いい映画だね」の一言で終わってしまうことが多い。

この映画のように、重度の認知症の大変さがよく現れている映画を見てしまうと、「認知症は大変だから、認知症になったら安楽死がいい」という意見も出てきてしまうのだ。

主人公の八重子のような重度の認知症は、パーセンテージでいうと実はそう多くはない。もっと、まだらな状態で生活ができる。軽度化中等度の人が多いのだ。それを誤解されるのは残念だなと、こうした類の映画をみると思ってきた。

でもこの映画は、実によくできている。

大切な人がゆっくりと記憶を無くしていくことに、ゆっくりと付き合うことを、夫は覚悟する。温泉宿の女将の優しさ、喫茶店のお茶のみ仲間たち、夫の息抜きに一緒にパチンコに行ってくれる同級生の内科医など、いい人間関係がうまく映されている。

「地域包括ケア」なんて言葉はもちろん一度も出てこないが、「地域包括ケア」が見事に息づいている、地方の町の生活の匂いがとてもいい、あたたかな映画だ。
有楽町スバル座で5月よりロードショー。

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