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2017年4月10日 (月)

新・空気の研究1

「忖度」がいろんな疑念を呼んでいる。
大阪の森友学園に、国有地が8億円も安い値段で売却された。
大阪府の私学審議会が先に学校開設の認可をしたのか、
それとも近畿財務局が払い下げを決定したのか。
学校を開設するのには土地があることが前提だから、土地がないのに許可するのはおかしい。
でも、開校が決まっていないのに土地を売却する根拠も乏しくなる。
大阪府も、国も、首相夫人が名誉校長を務めていることにおそらく忖度して、
どっちが先に決めたかをはっきりできないのだ。
松井知事は国からこの土地を売却しますよという説明を口頭で受けていたと発言している。
森友学園の籠池氏だけでなく、松井知事も、財務省の官僚も、証人喚問して事実を追求すべきであるのに、
そうしない。
国会が、空気をきれいにする力をなくしている証拠である。

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加計学園の問題もある。
いまも獣医が十分に多いという現状のなかで、今治市に52年ぶりの獣医学部の新設を認めた国家戦略特区ができた。
今治市は、加計学園に対して、土地の無償譲渡と、建築費の補助を決めている。
獣医学部を新設する加計学園の理事長は、安倍首相と長年の友人だ。
安倍さんは友人の理事長から何も頼まれていないというが、なんともグレーだ。
安倍首相の一強はずっと続いている。
首相自身が何か積極的に働きかけたわけではなくても、みんなが空気を読んで、勝手に行動してしまう。
安倍さんが喜ぶような決定しておくと、政府の役人も、今治市もきっといいことがあるだろうと思わせてしまうのだ。
安倍首相がもうちょっと大人だったら、「李下に冠を正さず」ということわざ通り、
自らを律したはずだ。
でも、そうしなかった。
                       ◇
「空気」が人を支配すると論じたのは、山本七平だった。
あれから時代を経たが、今も日本では、「空気の読み合い」が続き、空気がよどんでいるような気がしてならない。
ぼくはずっと空気のことを考えて来た。
2010年に『空気は読まない』(集英社)という本を出した。
その巻末に、こんなことを書いている。


空気は、人に、街に、時代に伝染する。
じわじわと広がり、ついの間にか、
気分を高揚させたり停滞させたりする。
ときには、景気を左右し、経済を動かす。
ときには、国を間違った方向に動かす。
まわりから浮きたくないと、必死で空気を読む。
空気にとらわれる。
結局、小さな生き方から出られない。
気概を忘れていく。
気が抜けていく。
心が鬱々としてくる。

空気に流されるな。
空気をつくり出せ。
空気をよどますな。
空気をかきまわせ。
それが新しい生き方になる。
それが新しい時代をつくり出す。
信じていい。
空気は・・・・読まない。

このブログでは再び「新・空気の研究」と題して、
ぼくたちを支配する「空気」について書いてみたい。

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