新・空気の研究5
天皇陛下の退位を巡る有識者会議も、早い時期から空気に支配されていたように思う。
昨年夏、陛下の意向を受けて有識会議が設置されたが、
早い時期から座長代理が、「一代限りの特例法」の方向を示した。
首相官邸とまったく同じことを言ったのだ。
国会は有識会議の下請け機関ではない、きちんと検討しようとしたようにみえるのは、大島衆院議長のみだった。
政府の大事な委員会の委員長や委員長代理などを務める人たちは、「空気読み」の名人がそろいがちだ。
空気を読めない人はそもそも指名されないし、間違って指名されてもすぐに更迭される。
首相が利権を振りかざしたり、何か悪いことをしたわけでない。
しかし、いちばん強い人が喜ぶ方針は何か、みんな空気を読んでいる。
一強の本人のみが、「忖度はない」と一人でいい続けているが、
忖度しているのではなく、忖度されているから、自分ではわからない。
「裸の王様」なのだ。
一人ひとりが自分の意見を持ち、責任をもってそれを発信する必要がある。
空気をよどまさないようにしていくことが、まっとうな国をつくるうえで大事だと思う。
| 固定リンク