新・空気の研究2
『「空気」の研究』は、山本七平さんの有名な本だ。
日本人の抗えうことができない「空気」が醸成される理由を究明している。
太平洋戦争に突入したとき、だれもがアメリカには勝てないと思っていながら、
優秀な軍部のエリートたちがその場の「空気」に拘束され、よくわからないまま戦争をはじめてしまった。
日本人は感情移入を絶対化して、それを感情移入とは考えないまま、感情移入した対象に支配された状態になる。
「進め一億火の玉」のスローガンは、象徴的である。
一億火の玉になれば戦争に勝てると感情移入し、
それに従わない人間は、共謀罪なんかをでっちあげられ、非国民とされた。
ナチスドイツのアイヒマン現象も「忖度」の一つだ。
アイヒマンは、何百万人ものユダヤ人を収容所に入れ、虐殺した。
こうすればヒトラーが喜ぶだろうと思い、ヒトラーの思いを実行に移しただけだという。
まさに「代理人」という意識だ。
一強になった安倍さんの代理人になって、首相が喜ぶことを行政の判断にしだす。
そんな「空気」が生まれているとすれば、とても危険だ。
安倍さんは「忖度なんてない」と言い切っているが、
まさに「忖度」だらけである。
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