新・空気の研究11
東芝がアメリカの原発子会社ウエチングハウスの負債を手放そうとしている。
破産申請ができるかどうか、そう簡単ではないのではないかと思う。
電機メーカーが苦労しているとき、東芝は原発推進で苦境を乗り越えようとした。
原発は、国の政策だから守られると考えていたことが甘い。
日本では、どんなにコストがかかっても、電力値上げで乗り切ることができるので、
原発ビジネスは損をしないと思い込んでいたのだろう。
でも、アメリカは違う。
完全に競争原理が働くビジネスの世界だ。
原発開発の安全性が強く求められるようになれば、コストがかさむのははっきりしている。
シェールガスが簡単に大量にとれるようになると、明らかに原発よりも安い電力ができる。
しかも、海外の原発開発を受注できても、その原発が事故をおこせば、膨大な負債を抱え込む契約にならざるを得ない。
原発ビジネスはもううまいビジネスではなくなっているのである。
東芝のリーダーは、原発は国策だから失敗はないという空気に流されてしまった。
組織のリーダーは空気を読みながら、次の時代の空気を読まなければならない。
そういう意味で、東芝のリーダーはリーダー失格だったのだと思う。
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