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2017年5月15日 (月)

新・空気の研究16

65歳以上の働き方などを議論する自民党のプロジェクトチーム(PT)が、先月下旬、公的年金の受給開始年齢を現在の上限70歳より遅らせれば、
年金額が増える仕組みを政府に提言した。
70歳から開始すると、長生きしないと割に合わなくなる。
現行でも、60歳からもらった人の受給額が、65歳からもらった人の受給額が上回るのは82歳程度。
いわゆる損益分岐点だ。
年金開始年齢が70歳ということになれば、損益分岐点はさらに後ろ倒しになり、82歳よりもっと長生きする人しか得をしないことになる。

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今年1月、日本老年医学会が高齢者の定義を「70歳以上」に見直すように提言した。
これに対して、どう考えるか。
アンケートはとり方によって結果が変わってくる。
「65歳で高齢者と言われるのは不愉快だ」とする人はきっと多いだろうが、その人たちが「高齢者は70歳以上」に賛成すると同時に年金開始も70歳以上に賛成するとは限らない。
空気は、無意識のうちにつくられるものもあるが、
だれかが意図的につくりだし、操っているもののある。
注意して、空気を見張らなければらない。

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