新・空気の研究20
今年生誕150年の南方熊楠は、「知の巨人」とも、「変人」ともいわれる。
粘菌学者であり、民俗学者であり、博物学者、教養の塊のような男だ。
この市井の学者は、昭和天皇の要望で、粘菌について進講した。
この際、キャラメルの箱に入れた粘菌の標本を献上している。
亡くなった後、昭和天皇は南紀行幸の際、
「雨にけふる神島を見て 紀伊の国の生みし南方熊楠を思ふ」と詠んでいる。
植物学者でもあった昭和天皇は、市井の学者を忘れていませんというメッセージを出す。
とても素敵なことだ。
森友学園に3回も行き、名誉学校長になったり、園児に教育勅語を暗唱させたりすることを評価し、
そして、問題になるとその説明を一切しないで、名誉校長も降りる。
空気をつくるときにも、品格というのが大事だと思う。
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