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2017年5月24日 (水)

新・空気の研究23

来月「ハクソー・リッジ」という映画が公開される。
メル・ギブソン監督の作品で、第二次世界大戦時の実在した「戦わない兵士」を描いている。
1945年、沖縄に上陸し、首里へと向かう最後の難所にハクソー・リッジという崖がある。
その上で繰り広げられる壮絶な戦いで、主人公は戦わない。
「戦争は命を奪うが、ぼくは命を救う」という信念をもっている。
志願兵でありながら、銃をもつ訓練を拒否し、軍法会議にもかけられる。
それでも自分の信念を貫く。
戦場では、味方のアメリカ軍が撤退したにもかかわらず、負傷した兵士たちを一人ひとり助け続ける。
一人助けた後、「もう一人私に助けさせてください」という心の叫びは圧巻である。

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日本にも、トルストイの平和主義の賛同者北御門二郎や、エホバの証人の明石順三が兵役を拒否して非国民と言われた。
軍法会議にかけられ、死刑などの厳罰に処せられた。
家族や地域も巻き込まれて、生きていけないようした。
そうやって空気をつくっていった。
「ハクソー・リッジ」の戦わない兵士は、武器を持たず衛生兵として命がけで働くことを認めてもらうには、
長い時間と苦労が必要であった。
彼は、終戦後すぐに良心的兵役拒否者として米国初の勲章が贈られる。
戦争のさなか、彼は「戦わない」という戦いを続けたが、
そんなふうに空気に負けない人がいることが大事なのだろう。

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