鎌田劇場へようこそ!(348)
「残像」
2016年秋に亡くなった巨匠アンジェイ・ワイダの遺作。
好きな監督はだれかと問われたら、ぼくは、ゴダール、ヴィスコンティ、そしてワイダと答える。
ワイダの「地下水道」や「灰とダイヤモンド」は、50年以上たった今も色あせない。
遺作となったこの「残像」もすごい。
第二次大戦後、社会主義政権に支配されていくポーランド。
ソ連の影響が大きく、すべての芸術はプロパガンダとして利用されていく。
そのなかで、前衛作家の第一人者ストゥシェミンスキは独自の芸術の道を曲げなかったため、迫害されていく。
ストゥシェミンスキは実在の画家。
すべてを奪われながらも、不屈の精神で自分の信念を貫く。
全体主義に常に抵抗し続けてきたワイダ監督の、まさに遺言のような作品だと思う。
6月10日から岩波ホールで公開。
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