新・空気の研究33
東大の五月祭に講演に行ったとき、聞きにきてくれた方からどこに住みたいですかと聞かれた。
世界中、いい国はたくさんある。
日本もいい国だと思う。
でも問題は、何とかしないといけないと答えた。
右とか左とかではない。
もっとみんなが自由に声を出せる国にしないといけない。
事実を隠蔽したりせず、改善することができる社会になっていくことが大事なのだと思う。
大人がそれを見せなければ、子どもの世界もおかしくなっていく。
保守だろうが、革新だろうが、それぞれ自分の主義をもっていてもいい。
それぞれの考えをもつ自由がある国。
ここが日本のいいところだ。
ぼくが首相だったら、親友が事業を起こそうとしているとき、
「悪いんだけど、ぼくが首相でいるうちは、お前には何も応援できない。悪いな」
と言うだろう。
官僚たちにも「忖度するな」と言い、「国民のために働いてほしい」と言いたい。
ぼくが電通の社員で、自殺した新入社員の上司だったら、
「働きすぎだぞ、少し休め」
「いい仕事をしているぞ。でも、この企画のここがまずい」
「もう少し変えれば、いい企画になる。ちょっとリフレッシュしてから考え直してみよう」
と言うだろう。
ぼくが仙台で子どもが自殺した中学校の教師だったら、何と言っただろうか。
そんなふうにいつも妄想している。
妄想し、発言する自由がずっと守られる国であってほしいと思い、
この「新・空気の研究」を書いている。
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